不思議な館《フジ》 (ページ9)

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？体目(キヨ) ページ9

Aがここ数日行方不明

あの、朝からやけに嬉しそうにしていた日から...

「はぁっ、はぁっ...。

やっと...見つけた...」

Aの様子がおかしくなったのは、俺が変なイタズラをしてから

まったく、子供だよな。俺も

山にあいつの筆箱を隠して...

昔も同じような事をした。

それ以外話すキッカケがなかったから...

...いや、俺が作らなかったのか

まあいい、あの時からAが変だから

山になんかあると思ってずっと探していた

「ここにこんな所あったのか...」

この山の中に変な古い館があるのを、たまたま知った

もう、そこしかないと思ってずっと探していた

「うわ...なんだ、ここ...」

門はサびれていて、庭も手入れされていない

窓なんか所々割れていて、とてもAがここに来るとは思えない...

「ね、念のためだ...。念のため...」

ギィっと音を立てて扉を開く

「...っ、なんだ...ここ...」

そこにはたくさんの人形、人形、人形

どこを見ても人形

しかも微妙に年季が入っているのか、ヒビが入っていたり、手がとれていたり

でも、それはAの部屋にあったあの気味悪い人形となんとなく似ていた

「...部屋...奥にもあるな...」

奥に進むと途中で中庭があるのに気づいた

ふと見ると、そこだけはとても綺麗に手入れされていてテーブルとイスが2つ置かれている

そのイスには大きな人形が...

「...A？」

大きな人形...、いや違う

Aだ。

「何してんだよ！おま、え...」

近づいて分かる。

異常に肌が白い。白すぎる

そっと、触れてみると氷のように冷たい...

でも、言われなきゃただ眠っているように見える

Aは、俺が部屋で見た人形を抱えていた

妙に1体だけリアルだった人形...。

暗い青色の髪をした少年の人形

それを嬉しそうに抱えて眠っていた