不思議な館《フジ》

8体目 ページ8

「んふふ」







「なんだよ、気持ちわりぃ...」







「嬉しいことがあったのー」









まさか、本当にオッケーされるとはね...





まあ、まだ完全にフジさんの所で住もうなんて考えてはないから


ちょくちょく家には帰るつもり









「楽しみだなー」





.





.





「フジさーん。

来たよー」









いつもと同じように、フジさんの所へ来た





ただ、いつもと違うのはフジさんが出迎えてくれない。ということ









「？フジさーん？」









勝手に中に入るのは、なんか悪いな...と思って外で待つことにした








...もしかしたら、人形作ってるのかな...


それだったら、集中してて気づかないとか...









「...おじゃましまーす」









何回も来てるけど、自分から入るなんて初めてだからちょっと緊張...(笑)









「...？」









中に入っても、人のいる気配がしなかった




迎えてくれるのは、たくさんの人形達...









『あれ？Aちゃん？

えっ！？もう来てたの？早いなー...』









これのする方を見ると、フジさんがいつの間にか立っていた









「あ、勝手に入ってごめんなさい...

急いで来ちゃった(笑)」







『あ、ううん！いいの、いいの！

ちょっとビックリしただけだからさ！』









フジさん、優しいな...









『さて、じゃあ...

まあ、いつもみたいにくつろいでよ(笑)』







「あ、うん！」









いつもみたいに中庭に行く








『はい、どうぞ』









いつもみたいにお茶を出してくれた









「ありがとう」









そして、いつもみたいに飲み始める









「！？

ゲホっ！、ゲホっ...！」









お茶の味は、いつもと違った




喉が...焼けるように痛くなる


身体が、痛い...









『大丈夫？Aちゃん

すぐにラクになると思うからね』









意識が...遠のいていく...









『大丈夫。心配しないで？

君なら、きっと今までで1番素敵な人形になれるよ...

1番...キレイで...素敵な...』









最後に見たのは、狂気に満ち満ちたフジさんの笑顔だった...

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