36.マーキング ページ39
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今日も今日とて、気持ちのいい朝だ。
と言っても、この世界に来てからと言うもの天気が悪い日なんてないくらいである。
そんな日にAはというと、お日様と自分の体温により暖かくなった布団の上で絵を描いていた。
くるくるとペンを回せば、持ち手の先に着いた薔薇が陽の光を浴びてキラキラと輝く。
《どうやら先に目をつけられていたようですね....》
昨日、謝必安が言った言葉が脳裏に浮かぶ。
「どういうことですか？」なんて言葉を紡ぐ前に白黒無常コンビが喧嘩を始め、Aの疑問は取り残された。
《謝必安、もういいだろう。変われ》
《嫌ですよ。やっとAさんに会えたのに》
イケメン二人が喧嘩するのってなんだかいいよね。
なんて、思った自分がバカバカしく思えてきた。
『.....目をつけられてる.....』
ふと、薔薇の花がついたペンに目をやる。
謝必安に言われなければ完全にポケットの中に入ったままであったであろうそれ。
と言うのも、いつのまにかポケットに入っていた為、誰の物でいつポケットに入ったかなんて分からない。
そもそも、誰のかわからない物を使ってはいけないだろう。
しかし、そんな考えは暇でたまらなかったAによってもみくちゃにされたのだった。
『.....ほんと、どこから来たんだろうね』
洒落たデザインのペンにそう呟いても答えは帰ってこない。
ただ、薔薇の花は本物の様に美しい。
その薔薇が黒く色づいている事にAはまだ気付かないのだった。
・
・
「....ただいま戻りました。」
重々しい空気の中、場にそぐわない明るい謝必安の声が響いた。
淡々と歩くその姿は、いつもの冷酷な謝必安と変わらない。
だが、纏う空気がいつもより柔らかくなっている事に周りは眉を寄せた。
「随分と上機嫌ですねぇ.....」
周りの空気よりもさらに不服そうな声が広間へとこだまする。
その声の主のいつもとは違う余裕のなさに、ますます満足そうに謝必安は笑った。
「ええ。とても素敵な少女に会いましたから。」
うっとりと、そして勝ち誇った様な表情で謝必安はそう言った。
その言葉にこの場にいるほとんどが驚いたに違いない。
なにせ、この荘園に『素敵な少女』なんているはずがないのだから。
しかし、ただ一人、リッパーだけはその正体を知っているからこそ腹が立ってしょうがなかった。
「マーキングはいけませんよ。ジャック。」
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かみきれ(プロフ) - すごい好きです。作者様は神ですか？お気に入り登録失礼します！ (6月1日 19時) (
レス) @page42 id: 1778223a4a (このIDを非表示/違反報告)
メグミ - この小説を私の小説の参考にしても宜しいでしょうか？ (2022年10月4日 5時) (レス) id: ebe50ea529 (このIDを非表示/違反報告)
推しは嫁(プロフ) - めっちゃ続き気になる！((((*゜▽゜*)))) (2021年2月2日 8時) (レス) id: 083dca73bd (このIDを非表示/違反報告)
暇人悪魔M:)(プロフ) - 僕です。さん» ありがとうございます！高校生になってから更新厳しいですが必ず終わらせようと思ってます！応援よろしくお願いします！ (2019年11月17日 22時) (レス) id: b7f6c1e616 (このIDを非表示/違反報告)
暇人悪魔M:)(プロフ) - soragirl3008さん» ありがとうございます！白黒無常さんとはこれからも関わっていくのでお楽しみに！ (2019年11月17日 22時) (レス) id: b7f6c1e616 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暇人悪魔M:) | 作成日時：2018年11月5日 0時
