27.お礼 ページ30
「なんとか引きとめないと！」その一心でAはとっさに范無咎の手を引っ張ってしまった。
急に後ろから引っ張られたことに、いや、サバイバーに手を触られたことに范無咎は目を見開いた。
『あ、あの、助けて下さりありがとうございました！』
ガバッと勢いよく頭を下げるAに范無咎は再び驚かずにはいられない。
まさか、気まぐれで助けたサバイバーからお礼を言われるなんて。
『あと、ウチはハンターさんに話しかけられるの嫌じゃないです！』
「むしろお友達になりたいくらい....」そう付け足しながらAは范無咎の瞳をじっと見つめた。
あそこで誤解を生めば黒無常さんに悪いし、何より助けてくれた恩人に嫌な思いはさせられないよね！
まっすぐなAの瞳を范無咎は見つめ続けられなかった。
「何故だ...？」
范無咎が固くひき結んでいた口を開けた。
その重々しげな様子に何かまずい事でもしてしまったのだろうかとAは不安な気持ちに狩られ、再び焦った。
「何故、俺を恐れないんだ....？」
『はい？』
さっぱりピーマンな状況を把握できていないAとは対照的に范無咎は金色の瞳を伏せた。
そもそもAはハンターたちが好きなのだから恐れる、恐れないという概念はこれっぽっちない。
『別に....恐ろしい訳じゃないじゃないですか。』
なんと返せばいいのかわからなかったAは、先ほどの答え方に自信がなかった。
語尾が弱々しいものになったが范無咎の問いに、首を傾げながらも答える。
そんなAの様子に范無咎は伏せていた瞳をAへと移す。「信じられない」とでも言うようだ。
驚いた様子の范無咎に、Aはまた疑問を抱いた。
『え、だって、そもそもウチを助けて下さったじゃないですか。そんな人を恐ろしいって言ったら慈善家さんはもっと恐ろしい人ですよ。』
「ま、実際恐ろしい奴だったけど....」足元に倒れているピアソンにチラリと視線を送ってAは目元にシワを刻んだ。
范無咎は、そんなAの様子に笑みを漏らした。
肩の力が一気に抜けたような気がする。
「.....仲間よりも俺が恐ろしくない....か」
『まぁ、要約するとそうですね！』
范無咎が笑った。
それだけでAは安心と嬉しさに包まれた心地がした。
黒無常さんの笑顔可愛いぃいい！
邪な思いまで出てくる程だ。
范無咎の笑みに釣られ、いや、ニヤけるのを防げなかったAもニコリと笑った。
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かみきれ(プロフ) - すごい好きです。作者様は神ですか？お気に入り登録失礼します！ (6月1日 19時) (
レス) @page42 id: 1778223a4a (このIDを非表示/違反報告)
メグミ - この小説を私の小説の参考にしても宜しいでしょうか？ (2022年10月4日 5時) (レス) id: ebe50ea529 (このIDを非表示/違反報告)
推しは嫁(プロフ) - めっちゃ続き気になる！((((*゜▽゜*)))) (2021年2月2日 8時) (レス) id: 083dca73bd (このIDを非表示/違反報告)
暇人悪魔M:)(プロフ) - 僕です。さん» ありがとうございます！高校生になってから更新厳しいですが必ず終わらせようと思ってます！応援よろしくお願いします！ (2019年11月17日 22時) (レス) id: b7f6c1e616 (このIDを非表示/違反報告)
暇人悪魔M:)(プロフ) - soragirl3008さん» ありがとうございます！白黒無常さんとはこれからも関わっていくのでお楽しみに！ (2019年11月17日 22時) (レス) id: b7f6c1e616 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暇人悪魔M:) | 作成日時：2018年11月5日 0時
