17.期待外れ ページ20
所詮、サバイバーはサバイバーなのだ。
リッパーは目の前の幸運児を見て、そう合点した。
自分の罪を認めようとしない、悪びれもせず嘘をつく。
彼女だってきっとそうだ。そうに違いない。
自分の「悪い子」の方がそう囁く。
今更期待してはいけない。自分たちを認めて受け止めてくれる人なんていないのだ。
諦めが悪いですねぇ...私は....
そう思ってはいるのに彼女なら、名も知らない彼女なら私たちを受け止めてくれる気がするんです....
必死に弁解する幸運児の声などリッパーの耳には入らない。
そして、今は何処にいるかも分からない彼女に焦がれていたいとも感じる。
そのリッパーの姿に幸運児は不思議に思った。
切なそうに遠くを見つめるハンターの姿など今まで一度も見たことがない。
まるで人間..僕たちみたいじゃないか...
その時だった。
ウゥー！！
けたたましいサイレンの音が教会中に鳴り響いた。
リッパーも幸運児もそれに驚いた。
それもそうだろう。
さっきまで3つあった暗号機がいつのまにか解読されているし、エミリーもトレイシーによって解放されているのだから。
「まさかッ....Aが一人で！？」
思わずそう叫んでしまうほど、Aの暗号解読速度は早かった。
【早く逃げて！】
そうメッセージを投げかける幸運児。
早くしなければハンターがゲートに.....
「....A....」
しかし、リッパーはAに名前を覚える様につぶやきながら微動だにしない。
その様子に幸運児は本日何度目か分からないほど驚きを隠せないでいた。
ハンターなりの作戦....か？
そう思っていた矢先、リッパーは心の中で細く笑んだ。
「....A....いい名前ですね.....」
そう呟くと先程の切なげな雰囲気は何処へ行ったのかと聞きたいほど、鼻歌を歌いながらゲートヘと向かっていったリッパー。
「.....何だったんだろう...」
・
さっさとゲートを開けて幸運児助けるか...
Aはゲートを開けるべく暗号を入力し始めた。
助けるといってもチェアまでの距離は近いがリッパーが離れてくれない。
Aは暗号を入力していないもう片方の手を顎に当て考えた。
エミリーとトレイシーはきっと反対側のゲートを開けているだろうし、もしここに来てもここ開けとけば出られる。
問題は幸運児を助けて負けるか勝つかだ。
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かみきれ(プロフ) - すごい好きです。作者様は神ですか？お気に入り登録失礼します！ (6月1日 19時) (
レス) @page42 id: 1778223a4a (このIDを非表示/違反報告)
メグミ - この小説を私の小説の参考にしても宜しいでしょうか？ (2022年10月4日 5時) (レス) id: ebe50ea529 (このIDを非表示/違反報告)
推しは嫁(プロフ) - めっちゃ続き気になる！((((*゜▽゜*)))) (2021年2月2日 8時) (レス) id: 083dca73bd (このIDを非表示/違反報告)
暇人悪魔M:)(プロフ) - 僕です。さん» ありがとうございます！高校生になってから更新厳しいですが必ず終わらせようと思ってます！応援よろしくお願いします！ (2019年11月17日 22時) (レス) id: b7f6c1e616 (このIDを非表示/違反報告)
暇人悪魔M:)(プロフ) - soragirl3008さん» ありがとうございます！白黒無常さんとはこれからも関わっていくのでお楽しみに！ (2019年11月17日 22時) (レス) id: b7f6c1e616 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暇人悪魔M:) | 作成日時：2018年11月5日 0時
