16.怒り ページ19
『....はぁ.....はぁ.....』
頰に伝っていく汗を感じながら、Aは目の前の暗号機へと走った。
こうなるんだったらもっと運動しとけばよかった....
そんな後悔の念を吐き捨てながらAは暗号機に飛びつく様に駆け寄り、暗号解読を開始した。
早く.....もっと早く...!!
なんて、思わない内に一つ終わった。
『ん?』
トレイシーか誰かが解読途中だったのかな?
そう思うほど暗号機の解読完了が早かった。
いつもなら60秒ぐらいなのに今はたったの10秒...
次の暗号機へと向かいながらAは解読の速さに違和感を覚えた。
だが、そんな違和感はすぐに無くなった。
そうだ。ウチの外在特質は「変わり者」があったではないか。
今回はエミリーがロケットチェアに座らされているため、Aの暗号解読速度が大幅にアップしたのだ。
それを思い出し、Aは細く笑んだ。
このまま残り2つ、一気にやってしまおう!!
幸い近いところに2つある。
もしかしたら勝てるかも!
Aは、さっきまでの辛さを忘れ暗号機へと軽い足取りで向かった。
・
腹立たしい。
リッパーの頭の中にはそれしかない。
目の前で頭を抱え悶える幸運児をリッパーは冷めた目で見下ろした。
彼には口も目も無いのだが、雰囲気がトゲトゲしい。
幸運児はあの後チェイスをし、ダウンさせられたのだ。
ハンターのリッパーに怯えながらも、他三人の事を考えるとこれでよかったかもしれないと幸運児は一人納得した。
お願いだ。
みんな...逃げて。
いつも以上の殺気を向けられる幸運児は、泣く事も声を上げる事もできない程に怯えていた。
リッパーはその様を見て鼻で笑った。
「彼女を泣かせた罪は重いですよ...?」
「ざまぁみろ」とでも言うようににリッパーはそう吐き捨て、幸運児を風船でくくった。
一方幸運児はハンターが喋ったことに驚きを隠せないでいた。
日常的に自分たちを怖がらせ、まるで機械の様に落とし絶望させる彼らにも意思があったのは驚きだ。
しかし、「彼女」とは誰のことだ?
鼻歌と共にチェアに縛り付けられたと同時に幸運児は叫んだ。
「ぼ、僕は何もやってない!泣かしてなんかないよ!」
チェアでもがきながら幸運児はリッパーに訴えた。
そもそもハンターが言う「彼女」の存在も検討がつかないし、このゲーム内で女の子を泣かせたことなんかない。
必死に弁解するがリッパーは頷かない。
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かみきれ(プロフ) - すごい好きです。作者様は神ですか?お気に入り登録失礼します! (6月1日 19時) (レス) @page42 id: 1778223a4a (このIDを非表示/違反報告)
メグミ - この小説を私の小説の参考にしても宜しいでしょうか? (2022年10月4日 5時) (レス) id: ebe50ea529 (このIDを非表示/違反報告)
推しは嫁(プロフ) - めっちゃ続き気になる!((((*゜▽゜*)))) (2021年2月2日 8時) (レス) id: 083dca73bd (このIDを非表示/違反報告)
暇人悪魔M:)(プロフ) - 僕です。さん» ありがとうございます!高校生になってから更新厳しいですが必ず終わらせようと思ってます!応援よろしくお願いします! (2019年11月17日 22時) (レス) id: b7f6c1e616 (このIDを非表示/違反報告)
暇人悪魔M:)(プロフ) - soragirl3008さん» ありがとうございます!白黒無常さんとはこれからも関わっていくのでお楽しみに! (2019年11月17日 22時) (レス) id: b7f6c1e616 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暇人悪魔M:) | 作成日時:2018年11月5日 0時