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11.注意不足 ページ14

気付かなかった。もっと注意すべきだった。



後悔が出てくるが今はそれどころではない。



Aは自分の不注意さに嫌気がさした。

痛い体に鞭を打ち、先程壊したブロック塀を乗り越えていく。




別に「初ゲームでリッパーはないか。」と見事に死亡フラグを立てた自分に嫌気がさしたわけではない。




【死にたがり】
そう、この外在特質はハンターが近付いても心音が鳴らない。
それを忘れていた自分に嫌気がさした。



不覚だ。ついさっき確認したというのに。

しかし、ラッキーでもある。


作業中に恐怖の一撃を食らわずに済んだのだ。
ここで頑張れば暗号機の一つや二つぐらい、時間は稼げる。


迫りくる足音を聞き、窓枠を乗り越え、板を倒す。



なんて拷問だ!!


Aは足も腕もヘトヘトだった。

しかし、真後ろの鼻歌を聞き何故か癒されている自分がいる。

それにそろそろ60秒経つ。



暗号機も残りあと3つ。


いける!



そう思った矢先だった。



『うわっ!!?』



ズササァッ!!と言うアニメでよくありそうな効果音を出し、Aは派手にこけた。


その有様に霧に隠れた「何か」も呆気に取られた。



おいおい.....



ゲームじゃ転ぶっていう操作なかったじゃんっ!!


Aは顔を赤くし、地面から微動だにしなかった。

いや、この転んだことで1ダメージ扱いになったので動けなかった。


なってなかったとしても、こんな光景を人に見られたと思うと恥ずかしくて動けない

これで1ダメージ扱いになったのが謎!!


Aは心の中で叫んだ。

ゲームに私情を挟むなと言いたければ言ってくれていい。


ただ本当に恥ずかしい。



ひんやりと冷たい霧が頰を撫でるがAの体温は上昇したままだった。




「えーっと....吊りますよ?」




真後ろから聞こえた低音ボイスにAは、
「ハイ....ドーゾオネガイシマス.....」と片言に呟いた。


あーもう...ホント最悪.....


Aは空中に上がる感覚を味わい、吊るされながら頭うなだれた。


風船でくくれるほど、ウチの体重は軽くなったのか...というどうでもいい事を考えながらAは大人しくロケットチェアに連行された。



暗号機は残り3つ。



風船から箱を漁る幸運児やロボットを操作するトレイシー、ウロウロしているエミリーが見える。

「転ぶ」というリアルなギミックはあるのに、吊られると他のサバイバーが見えるという要素はゲームのまんまって...


泣きそう...

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かみきれ(プロフ) - すごい好きです。作者様は神ですか?お気に入り登録失礼します! (6月1日 19時) (レス) @page42 id: 1778223a4a (このIDを非表示/違反報告)
メグミ - この小説を私の小説の参考にしても宜しいでしょうか? (2022年10月4日 5時) (レス) id: ebe50ea529 (このIDを非表示/違反報告)
推しは嫁(プロフ) - めっちゃ続き気になる!((((*゜▽゜*)))) (2021年2月2日 8時) (レス) id: 083dca73bd (このIDを非表示/違反報告)
暇人悪魔M:)(プロフ) - 僕です。さん» ありがとうございます!高校生になってから更新厳しいですが必ず終わらせようと思ってます!応援よろしくお願いします! (2019年11月17日 22時) (レス) id: b7f6c1e616 (このIDを非表示/違反報告)
暇人悪魔M:)(プロフ) - soragirl3008さん» ありがとうございます!白黒無常さんとはこれからも関わっていくのでお楽しみに! (2019年11月17日 22時) (レス) id: b7f6c1e616 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:暇人悪魔M:) | 作成日時:2018年11月5日 0時

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