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9.サバイバー ページ12

エミリーはニコリと笑い、Aに手を差し出した。


Aは差し出された手をおぼつかない手で握った。


『は、はじめまして....!えと、Aです!』



「俺のエミリー・ダイアー」と言いながらゲームしていた自分が懐かしく、Aは自然に笑った。


その姿が好印象だったのか、他のサバイバー2名も警戒心を解き、こちらへ笑いかけた。



「僕は幸運児。名前はないけど、みんなからこう呼ばれているからそう呼んでほしいな。」


「わ、私は、トレイシー・レズニック。機会技師です。」


メガネをかけ、頰にそばかすのある幸運児。

金髪の髪にヘルメットを被り、つなぎを着た少女トレイシー。


椅子の向こうから手を振ってくれる二人にAは軽く会釈をした。



『よろしくおねがいします...!』


最初に会ったのが、自分が使ったことのあるサバイバーで良かった。

Aはそっと胸を撫で下ろした。




テーブルクロスがかけられた長机に椅子が六脚。

横に四脚、両端に一脚ずつ置いてある。



この様子からして、どうやらゲームの待機時間だろう。

進め方は分かってはいるし、間接的にはゲームをやったことがある身だとしても結構緊張する。


そんなAの緊張を悟ったエミリーは優しくAに笑いかけた。



「大丈夫よ。最初の内は慣れることから始めましょう。」


エミリーの言葉に残りの二人も頷く。



「そ、そうだね!まずは、勝ち負けとかじゃなくて君を知る事から始めないとね!」


幸運児がそう言うと、トレイシーも少し食い気味でAへの好奇心を募らせた。


「気になります!Aさんの得意技!あ、すみません....つい」



机に乗り出していた自分に気づきトレイシーは頰を赤く染めながら座り直した。

Aは、その様子を見ながら「可愛い」と感じた為、口角が自然に上がるのを感じた。



それがいい意味で表に出たのか、Aの笑みに三人は好印象を抱いたに違いない。


『得意技』とは、外在特質のことだろう。



他のサバイバーにとって、これはゲーム(電子機器の)ではない。


だからこそ外在特質を『スキル』と言わず『得意技』と言っているのだろうう。

ちゃんと言い分けないとな....



「それにしても....」と、Aは三人の顔ぶりを見た。

医師、幸運児、機械技師....それに自分


どれも解読班ばかりではないか?


チェイスが苦手なサバイバーが三人....

特に得意ではない幸運児....



あ、このゲーム負けるわ....

10.勝ち負け→←8.クレーム



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かみきれ(プロフ) - すごい好きです。作者様は神ですか?お気に入り登録失礼します! (6月1日 19時) (レス) @page42 id: 1778223a4a (このIDを非表示/違反報告)
メグミ - この小説を私の小説の参考にしても宜しいでしょうか? (2022年10月4日 5時) (レス) id: ebe50ea529 (このIDを非表示/違反報告)
推しは嫁(プロフ) - めっちゃ続き気になる!((((*゜▽゜*)))) (2021年2月2日 8時) (レス) id: 083dca73bd (このIDを非表示/違反報告)
暇人悪魔M:)(プロフ) - 僕です。さん» ありがとうございます!高校生になってから更新厳しいですが必ず終わらせようと思ってます!応援よろしくお願いします! (2019年11月17日 22時) (レス) id: b7f6c1e616 (このIDを非表示/違反報告)
暇人悪魔M:)(プロフ) - soragirl3008さん» ありがとうございます!白黒無常さんとはこれからも関わっていくのでお楽しみに! (2019年11月17日 22時) (レス) id: b7f6c1e616 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:暇人悪魔M:) | 作成日時:2018年11月5日 0時

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