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「二宮、顔貸せ」
そう各務に言われたのは、俺がとんでもねぇこと口走ったその日の、終業後だった。
俺が結城に悪態をついてしまった後。
結城は、俺の役に立ちたかっただけ、と言った。
その意味が全く分からなかった俺は、その後もずっとそれについて考えていた。
おそらく便所かどっかで涙を拭いたであろう結城は、いつもと同じ調子でフロアに戻ってきた。
……ただ、各務、こいつは。
いつも自分のことは鈍臭ぇくせに、人のことになると敏感。
殆どの人が気付いていない結城の泣いた跡に、こいつはすぐ気付いて、俺を睨んだ。
んで、冒頭の言葉だ。
俺が結城に言った言葉をそのままそっくり返されるとは。
「私の大切な大切なマキちゃんを泣かせた理由を、さぁ何文字でもいいから説明しなさい」
いつもの居酒屋。
いつもの大将。
いつものビールに、砂肝、皮、つくね(卵黄付き)。
それにお決まりの俺らなはずなのに、雰囲気は全く違う。
「……」
「二宮に黙秘権は無い」
「……うっせーな分かったよ」
今日あったことを、ポツリポツリ話していく。
最初はマジで怒り心頭だった各務の顔が、気付いた時にはこの間のやらしい顔になってた。
「……何」
「いや？ぐふふ」
いやだから、中坊がそーいう動画見るような顔してんじゃねーよ。
「やっぱ私とナギサさんの目に狂いは無かったか」
今度はうんうん、なんて頷きながら笑っている。
「お前キモいんだけど」
「キモくないよ？キモいのは翔平くんに嫉妬してマキちゃんにそんなバカなこと言っちゃう二宮だよ？」
んふってこっちを見た各務。
マジでこんなアホのどこがいいの櫻井さん。
……って言ったら切々と語られるから、やっぱ止めときます、櫻井さん。
「しょうがねぇだろ」
「何がしょうがないの。いくら嫉妬したって、マキちゃんにそれを言うのはお門違いでしょ」
「……それは」
「それに、マキちゃんも言ってたんでしょ、役に立ちたいって。その理由、まだ分かんないの」
「分かんねぇから悩んでんでしょ」
はぁ、と溜息をつく各務。
溜息をつきたいのはこっちだ。
「アンタね、最近顔やつれてる」
「え？」
「翔平くんの指導員、いくら翔平くんが仕事出来る方だからって大変でしょ」
「まぁ、でも最近は」
「マキちゃんは、それを分かってたんだよ。だから自分に出来ることは何かって考えたの」
「……え？」
「言葉の意味通りだよ。二宮の役に立ちたいの、マキちゃんは」
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cori(プロフ) - mayuさん» mayuさんありがとうございます！マキちゃんみたいな後輩欲しい…分かります！優しくてお茶目で自分のこと大好きな後輩とか最高ですよね、願望を詰め込みました笑 ハッピーになっていただけて本当良かったです♪ (2019年6月19日 23時) (
レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - マキちゃーん！天邪鬼な二宮くんと上手く行って良かったー！もうマキちゃん可愛すぎて大好きです！！私もマキちゃんみたいな後輩が欲しい…(笑)完結おめでとうございます！読んでいてとてもハッピーになるお話でした！！ (2019年6月19日 0時) (レス) id: 862aa3f0aa (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - ともさん» いつもありがとうございます(*^^*)そうなんです、2人ともそういう価値観同じなので付き合うのも必然かなーと！ short storysの方でまた何やかんやしてる2人を書けたらと思うのでぜひまた見に来てください！ (2019年6月18日 21時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - すりおろし梨。さん» こちらこそありがとうございます！！マキちゃんハムスターって言うの、凄く分かります！必死に回し車回してそう笑 この2人の先々は愛は二度目からのshort storysの方で少し話す可能性あるので、もし良かったらそちら読んでいただけると嬉しいです(*^^*) (2019年6月18日 21時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 完結お疲れ様でした！天邪鬼の二宮さんが本気で部長カップルを応援し…そして同じ思考のマキちゃんに必然？に恋をして結ばれた。とっても素敵なお話で甘々な二宮さんにニマニマしちゃいました(笑) (2019年6月18日 9時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cori
| 作成日時：2019年5月23日 21時
