【O先生の場合】 ページ22
私の学校には、女性徒にすっごくモテている先生が５人いる。
これは、その中の一人の先生と、私のお話。
「あー、良く寝た」
毎朝……というか、１限が終わった辺りにいつも彼は大きなあくびをしながら職員室に入ってくる。
現文のお局先生は今日もキリっと眼鏡を直しながら、「大野先生？」と詰め寄る。
「はい？」
「アナタ、仮にもこの学校の教師なんですから、きちんと朝の職員会議には出席していただきたいものですわ」
「あー、へへ、すみません」
「いつもヘラヘラ笑って！」
「まぁまぁ」
お局先生と大野先生の間に入るのは、現文の櫻井先生だ。
彼はいつもは国語準備室という所で何かをしている。
何をしているかは知らないけれど、そもそもその国語準備室の存在を知っているのも二宮先生、相葉先生、松本先生、大野先生、と私くらい。
「櫻井先生も！」
「へっ？」
「アナタ最近職員室に居る時間が少なくありません？どこで何をしているのかしら！」
「いや、それはまぁ」
「ワタクシに言えないことでもあるの！」
「いえっそういうワケでは……」
完全にお局先生の矛先が櫻井先生に向かったところで、大野先生はするっとその中から抜けた。
その様子をじっと見ていた私に向かって、にこっと気の抜けたような笑顔と、ピース。
はぁ、と溜息をつく私を見て、更にへへっと笑う彼は。
「何見てんの」
「何も見てないです」
「A先生、そろそろ２限始まっちゃうよ？」
「えっ嘘！」
急いで２限の授業の用意をして、職員室を出る。
出る直前で振り返ると、大野先生がひらひらと右手を振りながら、「行ってらっしゃーい」なんて呑気に言ってくる。
それを見て「……行ってきます」なんて、この毎朝のルーティーンを楽しみにしている私は。
……そう、美術担当の大野先生と、家庭科担当の私は。
「A先生ー！こっち来て！何か変なの出来た！」
「え？どういうこと？」
調理実習の授業は火や包丁を使う為、いつもの授業よりも気を張る。
そんな中でも、苦手な子が面白い形の卵焼きを作ったり、塩と砂糖を間違えて美味しくない料理が出来たりするのも、教師の私としては面白いのだ。
「わっペシャンコ。ベーキングパウダー入れた？」
「……多分」
「こら、ちゃんと入れなさいよ。行程を確認しながらするのよ？」
コツン、三角巾の上から軽くグーで叩く。
少し恥ずかしそうにする生徒も、可愛いのだ。
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cori(プロフ) - 古川さん» コメントありがとうございます！ええっ、そこまで言っていただけて嬉しいです…！実は私もこの5つの話の中で大野先生の話が一番好きで笑 だから余計嬉しいです！ (2019年8月11日 21時) (
レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
古川(プロフ) - 大野先生の話めっっっちゃ好きです……こういうのが読みたかったんです……私の需要を満たしてくださり本当にありがとうございます(スライディング土下座) (2019年8月11日 1時) (レス) id: ae72d41905 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - mayuさん» mayuさんありがとうございます(*^_^*)ほんと天邪鬼で手に負えませんね！笑 櫻井先生、もう少しお待ちください！ (2019年7月7日 13時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - 二宮せんせー、ホントに天の邪鬼なんだから…でもそこがすき！(笑)櫻井先生の長編嬉しいです！楽しみにしています！！(^^) (2019年7月6日 21時) (レス) id: 862aa3f0aa (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - kana59さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけるととてもやる気出ます〜！！あとはタイトルさえ決まれば出せるのですが…お待ちください！ (2019年7月6日 0時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cori
| 作成日時：2019年4月19日 21時
