＊ ページ36
初めて相葉さんに会った日……相葉さんに恋に落ちた日。
その数週間後、私たちはランチミーティングに来ていた。
相葉さんが社用のメールで「女性に人気のランチ」と言っていたので、楽しみにしていた。
でも、実際に楽しみにしていたのは、相葉さんに会えるという方で。
「Aさん！」
山風のビルの下で大きく手を振る相葉さんに、私は控えめに頭を下げた。
「すぐ近くなんです。女の子たくさんで。僕一人じゃちょっと行きづらかったので、良かった！」
そうくしゃくしゃな笑顔で言うと、相葉さんは歩きだしてすぐに「ここです」と言った。
本当にすぐ近く。
オシャレな店内に通され、椅子に座ると本当に周りは女の子ばかりだった。
「何がお好きですか？」
相葉さんにメニューを見せられ、迷う。
えー、このロコモコ丼も美味しそうだし、サーモンといくらのパスタも素敵。
ん？これ、美味しそう！
「若鶏の唐揚げ、３種のソース添え」
声が被る。
「ん？Aさんもコレですか？」
若鶏の唐揚げ、３種のソース添えを指さしてこちらを見る相葉さん。
「はい。相葉さんも？」
「唐揚げに目が無くて。僕ら気が合いますね」
ふふって笑う顔にまた心を奪われる。
どうしてこんなに素直に笑えるんだろう。
届くまで、少し資料を広げてミーティング。
お目当てのものが届くと、相葉さんは目をキラキラさせた。
「すっげぇ美味そう！」
湯気の出ている唐揚げに、自家製の３種類のソースが添えられている。
確かに。すっごく美味しそう！
「あっちちち」
一口で頬張ってしまって、相葉さんは口元を押さえ目を瞑っている。
「あっつかったー……でも、マジで美味いですよ！」
早く食べなきゃ！って言う相葉さんの口元にソースが付いていたので、ナプキンを取り口元を拭いてあげた。
あ、さっきまで口元押さえていたから、手のひらにもソースが。
「えっ」
「あっ、ごめんなさい、図々しいですよね」
「えっ、ちがっ、とんでもない！」
顔を真っ赤にする相葉さんが面白くって、ふふって笑うと、初めて会った日にハンカチを渡した後のようにまた笑ってくれた。
「Aさん」
「はい？」
「図々しいのは僕の方なんですが……」
「え？」
「個人的な連絡先をお聞きしてもいいでしょうか」
そう、親に怒られた子どものような顔をして言われたから。
「はい、私も図々しくも聞きたいなぁって思ってました」
そこから１週間後、私たちはお付き合いを始めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
cori(プロフ) - Yuriさん» いつもありがとうございます！そろそろ帰国してほしいなーと思ってます笑 次移行しますのでもう暫くお待ちください！ (2019年6月4日 7時) (
レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいています！翔くんが帰国するお話が気になります！更新、待ってます！ (2019年6月4日 4時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - kaz2nsariさん» はじめまして、コメントありがとうございます！ニヤニヤしていただけたとのこと、とっても嬉しいです…！早く帰ってきてもらわないと、まだ書きたいことたくさんあるので…！また覗きに来てくださいね〜！ (2019年5月28日 0時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
kaz2nsari(プロフ) - はじめまして！読ませていただきましたが、終始ニヤニヤが止まりませんでした！！翔くんがNYから帰ってきたあとのお話が気になります！！ドキドキ。。 (2019年5月27日 19時) (レス) id: f127e1252b (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - きみきみさん» こちらにもコメントありがとうございます！名前呼びをしてみました。仕事以外で部長と呼ぶとすこぶる怒ります笑 いつかのニノさんで言ってたことを言わせてみました。絶対履いてると思います笑 また来てくださいね！ (2019年5月22日 17時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：cori
| 作成日時：2019年3月26日 19時
