＊１５２ ページ32
「お、よめさん……」
「ん。お嫁さんって可愛く言われる年齢のうちに」
何、それ。
何その嬉しい言葉。
部長の、今絶対優しい顔してる、その顔が霞んで見えない。
「そ、それなら、ずっとアメリカに居る方がいいじゃないですかぁ」
「……お前、そんなこと言う？英語出来んの？」
「出来ない……」
「だろ？まぁそれは万が一の話で、戻ってくるから俺は」
「……」
「戻ってきたら、お前との将来、考えてもいい？」
私の目を見つめながら、頭をするすると撫でてくれながら、そんなことを言う。
さっきから、色々と予想外な言葉ばっかりで頭がまだ追い付いてないけど、今の言葉は、私の中では肯定する以外、あり得ないから。
「はい、うぅ、」
「泣くな泣くな」
「だって」
「俺も泣きそうになる」
「そんなこと言って、あっちでブロンド美女にお持ち帰りとかされないでくださいよ！」
「それはどうかな。パツキンの爆乳だろ？」
「……何か今、急激に年齢差を感じました。あと、冷めました」
「おい！嘘だよ、お前だけ……って寒いな」
「寒い。すごい寒い」
「温めてやる」
そうやって、ギュ、ってもう何度目？抱きしめられるから。
「やだー、トレンディドラマみたい」
「見たことあんのかよ」
「無いです。世代じゃないんで」
「俺だって世代じゃねぇわ」
「嘘ー。先におじいちゃんになるのに？」
「俺がおじいちゃんになる時は、お前もおばあちゃんになるの。一緒にな」
なんて、さらっと遠い未来のことを話してくれるから。
「一軒家がいいなぁ。大きなお庭で。ペットも飼いたい」
「爬虫類以外な」
「ヘビ、可愛いって友達が言ってましたよ」
「その子とは仲良くなれそうにない」
「ぷぷ。櫻井さん、苦手なものあるんですね」
「苦手なものばっかだっつーの。家事も掃除も」
「あー！私も苦手です。どうしよう」
「……でもさっきのオムライス、クソ美味かったから、お前料理のセンスはあるぞ。頑張れ」
「え！本当ですか。じゃ、櫻井さんの片付けのセンス、期待してますね」
「センス、磨いておきます。……ひとまずさ？」
「ん？」
帰ってきたらする、って言ってた将来の話も待ちきれなくて今しちゃう私たち。
だから。
「半年間、待てないものが一つだけあるから。……貰っていい？」
「ふふ。奇遇ですね、私も、」
そう言い終わる前に、また、部長の唇にその続きは奪われた。
部長の優しさに抱かれながら、いつもと違う、夜が始まる。
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cori(プロフ) - 藍さん» はじめまして！コメントありがとうございます。やっと出会えた…？！何て嬉しいお言葉（ ; ; ）ありがとうございます。色々続きも書いてますので、良かったらまた読んでください(^○^) (2019年7月6日 0時) (
レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 初めまして。ステキな物語をありがとうございました。Sさん側の味方がちゃんといて、安心して読めました。やっと出会えた夢小説でした。ありがとうございました。 (2019年7月5日 16時) (レス) id: c6f01ba164 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - きみきみさん» 初めましてコメントありがとうございます！櫻井部長にキュンキュンしていただけて嬉しいです〜！ミナちゃんはこのお話の中で唯一の黒い存在なのでその感情は正しいと思います…悪い子ではないんですけど…ね(T . T) (2019年5月22日 17時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
きみきみ(プロフ) - 初めまして！一気に読ませて頂きました。泣いたりキュンキュンしたり感情が忙しかっです(笑)櫻井部長が本当に素敵でした！ただ、ミナは…最後までやっぱり好きにはなれなかった色々と…うん。続きを楽しみに読みます！ (2019年5月21日 15時) (携帯から) (レス) id: 28c39bc336 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - ともさん» 初めまして！一日で…！嬉しい！二宮くんの掛け合いは、軽くない話の中で一種の清涼剤でした。ミナについては…多少仰るようなこともあるんだろうな、と思います。純粋な雅紀くんだからこそ…でもそこがいいんですよね…続きも書いてますので良かったら(^ ^) (2019年4月26日 0時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cori
| 作成日時：2019年3月10日 13時
