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早朝、マンションのエントランスまで降りると部長がいた。
「……おはようございます」
「おはよう」
「どうして」
「新幹線乗ったらなかなか仕事の話は出来ないからな」
……そういうことか。
何だ、ちょっと一緒に居る時間が長くなるから、とか言われるのかと思ったのに。
それなら毎日こうしてるか。
部長と駅までの道を歩く。
「昨日帰ってきた増井に言われたのは、工場長が怒ってるっていうよりも、きちんとした説明が無かった経緯が聞きたいらしいんだよ」
「はい」
「ミナト本社の担当からじゃなくて、こっち側の意見をね」
「そうですよね」
「ミナトの担当も焦ってるらしいからな。どっちかと言うと、工場長に怒られるのは本社の人間だな」
「申し訳ないですね……」
「まぁ双方の確認不足だから、どっこいどっこいだ」
そう言って苦笑いする部長。
首元には私のあげたマフラー。
３月と言えど、今日は春の嵐か、風が強いので寒い。
「ま、昨日は念のため、つって一泊することにしたけど、説明して納得してもらえたら一泊しなくても良さそうだな」
「え……」
「……ん？」
部長の顔がこちらを向く。
そして、柔らかくフッと笑った。
「そんなぁって顔すんなよ」
「し、してません！」
「してたね」
「……」
だって。
ちょっと期待しちゃうじゃん。
旅行じゃないよ？でも、泊まりだよ？
神戸初めてなんだもん、ちょっと時間空いたらさ、観光とか……。
ほら、港町だから、夜景とか綺麗かもしれないし……。
日本三大夜景だっけ？気になるし……。
「口尖らせんなっつーの」
むにゅ、と頬っぺたを手で掴まれた。
あれ、前もこんなことされたな。
「時間空いたら、中華街でも行きますか？」
「え！」
中華街！
確か、豚まんの美味しいお店があるって聞いたことある！
「い、行きたい……です」
「よし、じゃ、仕事ちゃっちゃと終わらせますかね」
満足そうに笑う部長。
「キャンセル……しない、ですか？」
「ん？」
「ホテル……」
「……しないよ」
途端、部長の醸し出す雰囲気が夜のものに変わる。
部長とそういった経験は無いのに、分かってしまう。
……付き合ってないんだから、そういうことになるワケない。
言い聞かせる。
ただ、部長と少しでも長く、一緒に居たいだけだ。
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cori(プロフ) - 藍さん» はじめまして！コメントありがとうございます。やっと出会えた…？！何て嬉しいお言葉（ ; ; ）ありがとうございます。色々続きも書いてますので、良かったらまた読んでください(^○^) (2019年7月6日 0時) (
レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 初めまして。ステキな物語をありがとうございました。Sさん側の味方がちゃんといて、安心して読めました。やっと出会えた夢小説でした。ありがとうございました。 (2019年7月5日 16時) (レス) id: c6f01ba164 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - きみきみさん» 初めましてコメントありがとうございます！櫻井部長にキュンキュンしていただけて嬉しいです〜！ミナちゃんはこのお話の中で唯一の黒い存在なのでその感情は正しいと思います…悪い子ではないんですけど…ね(T . T) (2019年5月22日 17時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
きみきみ(プロフ) - 初めまして！一気に読ませて頂きました。泣いたりキュンキュンしたり感情が忙しかっです(笑)櫻井部長が本当に素敵でした！ただ、ミナは…最後までやっぱり好きにはなれなかった色々と…うん。続きを楽しみに読みます！ (2019年5月21日 15時) (携帯から) (レス) id: 28c39bc336 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - ともさん» 初めまして！一日で…！嬉しい！二宮くんの掛け合いは、軽くない話の中で一種の清涼剤でした。ミナについては…多少仰るようなこともあるんだろうな、と思います。純粋な雅紀くんだからこそ…でもそこがいいんですよね…続きも書いてますので良かったら(^ ^) (2019年4月26日 0時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cori
| 作成日時：2019年3月10日 13時
