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「スピーチ……」
ほい、って渡されるその真白な封筒が、軽いはずなのにすごく重みを感じる。
表にも裏にも何も書かれていない、ただの封筒のはずなのに。
「結婚式の日、ロビーで俺ら開場を待ってたんだけどさ。部長、ずっとソファに座ってこれ読んでんのよ。むっつかしー顔してさ」
「ふ、想像出来る」
「出来るっしょ？時々眉間押さえてさ、溜息ずっとついててさ」
「……」
「お前、もう部長の気持ち知ってんでしょ？」
「……うん」
「じゃぁ言うけど。すっげぇ読みたくなかったと思うのよ。好きな人の結婚式でスピーチって、何の嫌がらせよって」
「……はい」
「でもさ。それを結婚式で悟られるワケにはいかねぇじゃん。ロビーの俺らがいる場所がさ……部長の最後の「お前が好き」って時間だったと思うんだよ」
……結婚式の瞬間から、もう、部長は私を諦めるつもりだったってこと。
そう考えると、途端に胸が苦しくなってきた。
一歩違えば、全く違う人生が待っていた。
ナギサさんだって、そう言ってた。
「でもさ。まさかまさかの、結婚式は中止だって言うじゃん。あの時の部長の顔、忘れられないんだよな」
「……どんな顔、してたの」
「相葉さんが原因ってことはその時俺ら知らなかったから。当然、部長はさ……お前の体調とか、そういったことを心配してさ」
「……」
「どうにかしてAに会えないですか、ってスタッフにすごい剣幕でさ……」
そうだったんだ……初めて聞く、部長のその姿にまた胸が痛む。
「だからね。これ。この存在、彼は忘れて帰ったワケです」
「え？」
「ロビーのテーブルに置きっぱなしよ。考えられる？」
また二宮はククと笑う。
それは珍しく、部長を少しバカにしたような、でも、優しい笑顔で。
「きっと今も気付いてないよ、俺が回収したこと。つーか忘れたこと」
「……貰っていいの？」
「いいんじゃない？俺、流石に内容は読んでないけどさ。お前なら……いいでしょ」
ぎゅ、と封筒を握りしめる。
二宮からは、「あっ、俺がクリアファイルに入れてまで綺麗に保管してたのに」って声が聞こえる。
「家帰って、読む。多分今見たら、泣いちゃう」
「でしょうね」
「ありがと、二宮」
「お前は俺に感謝することがいっぱいあるね〜？お礼は100倍返しでいいよ？」
「ほいチ〇ル。きなこもち」
「だから俺は大御所を大事にするって言っただろ！つか安すぎる！」
でもポイって口に入れて、「意外とうめぇな」って言う二宮に、私も笑顔がこぼれた。
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cori(プロフ) - 藍さん» はじめまして！コメントありがとうございます。やっと出会えた…？！何て嬉しいお言葉（ ; ; ）ありがとうございます。色々続きも書いてますので、良かったらまた読んでください(^○^) (2019年7月6日 0時) (
レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 初めまして。ステキな物語をありがとうございました。Sさん側の味方がちゃんといて、安心して読めました。やっと出会えた夢小説でした。ありがとうございました。 (2019年7月5日 16時) (レス) id: c6f01ba164 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - きみきみさん» 初めましてコメントありがとうございます！櫻井部長にキュンキュンしていただけて嬉しいです〜！ミナちゃんはこのお話の中で唯一の黒い存在なのでその感情は正しいと思います…悪い子ではないんですけど…ね(T . T) (2019年5月22日 17時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
きみきみ(プロフ) - 初めまして！一気に読ませて頂きました。泣いたりキュンキュンしたり感情が忙しかっです(笑)櫻井部長が本当に素敵でした！ただ、ミナは…最後までやっぱり好きにはなれなかった色々と…うん。続きを楽しみに読みます！ (2019年5月21日 15時) (携帯から) (レス) id: 28c39bc336 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - ともさん» 初めまして！一日で…！嬉しい！二宮くんの掛け合いは、軽くない話の中で一種の清涼剤でした。ミナについては…多少仰るようなこともあるんだろうな、と思います。純粋な雅紀くんだからこそ…でもそこがいいんですよね…続きも書いてますので良かったら(^ ^) (2019年4月26日 0時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cori
| 作成日時：2019年3月10日 13時
