＊ ページ27
深くなるキスに、呼吸が止まりそうになる。
それなのに自分から出てくる甘い声に、恥ずかしさを感じるけれども部長のキスはやまない。
こんな、場所で。
誰が入ってくるかも分からない会議室で。
職場だからと、お互い「A」「部長」と呼び合いながら。
……禁忌の匂いがする。
「は、ぁ」
「A？舌だして」
「えっ」
「ほら」
言われた通りにチロッと舌を出すと、部長が分かりやすく微笑み、「赤い、可愛い」とその舌に吸い付く。
まるでえっちをしている時のような行為に、慌ててしまう。
部長、ここ職場です、会議室です、
「っ、やぁ」
その唇は褒めてくれた私の舌を離し、首筋へと伝う。
そこに意識が集中し始めた途端、部長のカサついた手が私の太ももを撫でた。
「部長っ」
「っは、ごめん、ちょっとだけ」
「えっ、でも、ここ」
「うん、分かってる。悪いマジで少しだけだから……」
「んっ」
「Aに触れさせてくれ……」
器用にスーツのボタンを片手で外し、今度はシャツのボタンを開ける。
太ももを這う手は、そのままどんどんと奥を目指す。
鎖骨辺りの唇も下を目指し、あぁ、こんな場所で触れられてしまう、部長を止めなければと理性は言うのに。
その理性が言うことは、今、この時点に限っては正しいことじゃない。
完全に開けられたシャツのボタン。
そこから部長は手を侵入させる。
一つの手はやわやわと胸の感触を確かめ、もう一つの手は私のスカートを完全に捲り、唇は私のシャツを噛み、肩まで脱がせる。
こんな場所で。
こんな、いつも以上に必死な部長に。
愛されている。
嬉しい。幸せだ。一緒に、触れられる喜びを分かち合いたい。
それの方が、今の私たちには正しいんだ。
「……良かった」
「え？」
「誰にも、触れられてない」
そう言って部長はシャツを捲り上げられた私の肩に、キスを落とす。
ぢゅうっと吸われ、そこがふわりと赤くなったのがギリギリ見えた。
「当たり前ですっ」
「んは、そうだよな。Aは俺だけのもんだ」
「んっ」
「……こんなんじゃすぐ消えるな」
もっと強く吸われる。
痛い、でも、嬉しい。
もっと強く残してほしい。
部長のほかに、私を触る人なんて居ないよ。
男除けなんて意味無い、ただ私が部長を感じていたいだけ。
「部長……もっと、もっとしてください」
「A」
「寂しいの、埋めてください」
「……あぁ」
ふわって香ったのは、昨日、抱きしめたワイシャツと同じ匂い。
部長がここに、いる。
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やっち(プロフ) - こんにちは。読ませてもらいました。甘甘翔くん大好物です。大好き (2021年10月30日 16時) (
レス) @page49 id: cc7865b69e (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - emさん» ありがとうございます。私もこんな職場憧れます…！夢が詰まってます笑 また少しずつ戻ってこようと思います。またよろしくお願いします！ (2020年9月15日 5時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - ミントモモさん» ありがとうございます。少しずつですが戻ってくる予定です！またよろしくお願いします！ (2020年9月15日 5時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - かのんさん» ありがとうございます。少しづつですが戻ってこようと思います！また、他の作品も読んでいただけると嬉しいです(^^) (2020年9月15日 5時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
まよゆり(プロフ) - 懐かしい面々が出てきて、楽しかった。ニノのスーツの値段！あの数字だけが、探せなかったあの時…笑。お、おう、と押され気味に返事するニノ。マキちゃんらしいプロポーズ。可愛い2人。短編ゆっくり待ってるね。 (2020年8月31日 20時) (レス) id: cd6d41f823 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cori
| 作成日時：2019年9月7日 18時
