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翔と松本くんは相変わらずだった。
翔は懐いてくる松本くんといつも一緒にいたし、松本くんはとっくに独り立ちしているのによく翔の席の近くに居るのを見た。
以前は松本くんにムカついていて苦手だったけど、慣れちゃえばもう何も感じなくなった。
入社して５年目。
一人暮らしの更新が来て引っ越ししようかなぁ、でも今の家も気に入ってるしなぁ、なんて思っていた時。
翔が私の家でくつろぎながら、言った。
「家出てぇ……」
「……実家？何で」
「親がうるさい」
「それはしょうがないでしょ？でも家事とか助かってる面もあるじゃん」
「それはそうだけど。でも流石に俺ももう２７になる歳だしさぁ」
「じゃぁ出て一人暮らししたらいいんじゃない？」
「……」
「……何」
翔がジトッとこちらを見てくる。
何？見たことない顔してる。
「やっぱ言わねぇと分かんねぇか」
「へ？何、」
くつろいだ体制のまま、ふわっと横から抱きしめられた。
えっ。何。抱きしめられるの久しぶり。
最近は少し……色々と、おざなりになってたから。
「……一緒に住みませんかー、って」
「……え！？」
「うるさ」
「え、何どういうこと？一緒に住むって……本気？」
「本気本気。もうすぐこの家更新時期って言ってなかった？」
言ったけど。確かに何かの会話の流れで言ったけど。
……本当に？
「……でも私、ご飯作れないし」
「んなこと知ってる」
「翔も出来ないし」
「……んだよ」
「……ヤバくない？」
「それはどうにかなる。なぁ、いいのだめなの。それだけ言えよ」
翔の不安そうな声が耳元で聴こえてくすぐったい。
……本気なんだ。
「……いいよ」
断る理由なんてない。
翔のことを気に入ってる両親だってきっと許してくれる。
すごく小さな声で言ったけど、翔はガバッと私から体を離して、最近仕事中良くする、とてつもなく真面目そうな顔をして。
「……はぁ、第一関門突破」
何の第一関門？
そう思ったけどそれは聞けなかった。
だって翔が、その真面目な顔から、まるで花が咲いたような顔をしたから。
桜が丘駅から歩いて10分くらいのマンションの11階。
２LDKの綺麗な部屋。
そこが、これからの私たちの住処になった。
「桜が丘って桜が有名なの？」
「知らねぇの？丘の上の公園」
「知らない」
「すげぇ桜綺麗なんだって。春になったら花見しようぜ」
その約束が果たせないことを、その時の私たちは知らなかった。
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cori(プロフ) - ハルさん» 嬉しい！ありがとうございますっ！ (2019年9月24日 7時) (
レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - あいにど大好きです！ (2019年9月23日 15時) (レス) id: 7a7a9f2162 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - ともさん» ともさんいつもありがとうございます！スッキリホッコリしていただけて良かった〜！とりあえず部長と各務ちゃんを応援した人がみんな幸せになれて満足です笑 そういえば大野部長は…？今度Twitterでみんなのプロフィール纏めたのまた出しますね笑 (2019年9月4日 21時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - わぁーすっごくスッキリ！そして〜すっごく幸せな持ちになれて心がホッコリ(*^^*)なんか〜潤くんらしいなって勝手に思って嬉しいです(笑) (2019年9月4日 8時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - mayuさん» mayuさんありがとうございます！ようやく完結しました…！部長は松本さん入社してすぐ気付いたんだろうな、と思います…ナギサさんの事をよく見てたってことでもありますよね…確かに3組もいる！営業部の女はみんな営業部の男と笑 はい、また読んでくれたら嬉しいです〜 (2019年9月1日 19時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cori
| 作成日時：2019年7月10日 21時
