1cm近づく。 ページ2
『マイッキー?ぜんいち待ってるよー!早くー!』
玄関から叫ぶ。二階からは相変わらずドタドタした音が響いている。
「姉ちゃん、なんでおこしてくれなかったのー!!」
『いや、何度も起こしたよ?』
「ねえなんで嘘つくのぉ!」
『ついてないわ!』
するといつものことに後ろから乾いた笑いがくる。
「いいよ、始業まで時間あるし、遅刻するわけじゃないんだしさ。」
『……はぁ……ホントごめんね、毎日。』
そういって、ぜんいちに手を合わせて謝る。
「あはは、今更でしょ、そんなの。」
『そうだねぇ。ホント、はぁ……』
まあまあ、それがマイッキーじゃん。などと言って肩に手を置くぜんいち。
くうう、いつになったらバカ弟は学習するんだろうか。
すると、
「おはよう!ぜんいちきゅん!」
ドアから元気よく飛び出して来たマイッキー。
「ね、姉ちゃん、明日からはきおつけますよ〜;;」
『………はぁ、わかったから。早く行こ。』
そう言って1人で歩き出す。
「マイッキー、明日から気をつけよ?ね?」
落ち込んでいるマイッキーをぜんいちが慰めているのを聴きながら登校となった。
,
学校に着くと、
「よぉ!おはよ!」
とシルバが駆け寄って来た。
そして後ろで落ち込んでいるマイッキーを見て「またか…」と苦笑する。
「あ、そういえばな、昨日妹がクッキーつくってくれてよぉ、それがもう美味しいのなんのって、それでな………」
始まった妹さんの自慢話。
たった1日なのにこうも大量に話せるなんてもう何かの才能としか思えん。
適当に相槌を打ちながらも内容は聞いている。
これが朝のルーティーンだが、このときは、大抵ぜんいちが機嫌が悪い。
シルバの自慢が嫌なのだろうか。
チラッとぜんいちを見るとたまたま目があって一瞬でそらす。
なんだか、最近のぜんいち、ちょこっと変。
好きな子でも出来たのかな?なんて考える。
.
.
.
.
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嫌、だな。
なんでか胸がズキリと痛んだ。
このままだと、幼馴染という関係が、崩れ去ってしまうきがする。
それだけは、嫌だった。
いつも隣にいることが当たり前の君が、私の隣から消えるのは……なんだろう、モヤモヤする。
でも将来、君の隣に立つのは私ではないから。
たとえそれでも、もう少しだけ、いいですか。
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優愛 - つッ続きが気になるッ!ぜんいち、がんばれッ! (2023年3月3日 19時) (レス) @page9 id: 5a68b98a8e (このIDを非表示/違反報告)
オレンジジュース - ぜんいちの恋のライバル登場ってか⁉︎楽しみ٩( ᐛ )و (2022年8月10日 9時) (レス) @page9 id: 31ad913b27 (このIDを非表示/違反報告)
かりりん - めちゃ続き気になります (2022年6月3日 0時) (レス) @page9 id: 2cbb035564 (このIDを非表示/違反報告)
瑠花 - 続き気になるぅぅぅ~~~ 更新頑張って下さい!!! (2022年3月27日 16時) (レス) @page9 id: 4be2702945 (このIDを非表示/違反報告)
Lilian - 続きどうなるの〜!?恋の予感が…。更新待ってます (2021年9月9日 22時) (レス) id: 6c73657afc (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2021年2月9日 2時