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ふざけないでよ 50 ページ1

「そういや、俺の事先輩って呼ぶのやめろよ。紛らわしいから。あ、流石に名前は覚えてるよな!?」
『覚えますよ、当たり前ですぅ! 忘れる訳ないじゃないですかぁ!』





 大切な先パイの名前をAが忘れる訳ない。逆にどうして忘れてると思ったのか。確かに先パイ呼びではあったけれど。





『神崎悠斗先パイ』
「いや、神崎でいいけど」
『じゃあ、神崎先パイ!』





 先パイがドアに手をかけた。いつの間にかドアの前まで来ていたようだ。ガチャリと音がして、ドアが開いた。





「あっ、せんぱーい! 遅いですよっ! 心配したんですから。ドコか行っちゃったのかなぁ、って! 」
「あ、ああ…………」





 神崎先パイは気まずそうに、すまん、と小さく溢した。まさか、神崎先パイに話しかけに来るなんて。てっきり二軍の人達は眼中にないと思ってた。せっかくA達がいい雰囲気になっていたのに。
 と、ふざけた事を思いながら眉間にしわを寄せた。





「いえいえ! 気にしないでください、悠斗せんぱぁい」





 人の仲の良い人達を欲しがっちゃうタイプ。きっとAが親しくしているのを見て、欲しくなったのだろう。自分も、あの人と……なんて。勘違いにも程がある。
 Aだからこそ。Aだけの特権なのだから。





『神崎先パイ……』





 だからと言って、変に抵抗はしないけど。だって変なイメージが付いたら嫌でしょ? だから、仕掛けておく。
 Aは眉をハの字にして、さっと視線をそらすと、回れ右をして足早にその場を去った。
 もうタオルもドリンクも用意してあるから、日比谷さんがサボってる得点係をしようかな。





『先パイっ、得点変わります』
「ん、ああ。ありがと」





 交代して、練習を再開するのを見届ける。どうせ日比谷さんが駄々を捏ねて無理に代わってもらったのだろう。
 それにしても、やっぱり皆がバレーをしている姿って、純粋にカッコいいよね。好きなことに打ち込む姿は、いつ見ても憧れの対象だという事に変わりはない。
 Aに打ち込めるものなんて何もなかったからだろうか。一生懸命というのが、とてつもなくかっこよく見える。





『いいな……』





 やはり、好きなものがあるのは、羨ましく感じざるおえない。いつかは、と思っているものの、見つけた事など一度もないのだから。

ふざけないでよ 51→


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あまね(プロフ) - すきぃぃぃ (8月6日 2時) (レス) @page10 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
阿修 - 続き見たいです!更新お願いします! (2022年12月14日 21時) (レス) @page10 id: d40c103c61 (このIDを非表示/違反報告)
サラミ - 更新を…更新をくださいいいいいいい!いつまでも待っているので… (2022年11月13日 11時) (レス) @page10 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
千春(プロフ) - 更新まってます!!! (2022年2月27日 22時) (レス) @page10 id: b4c1430361 (このIDを非表示/違反報告)
naonao(プロフ) - 更新おねがいしますうううううううう! (2021年9月27日 15時) (レス) @page10 id: d20e044f3d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:林檎好き系猫 | 作者ホームページ:http://  
作成日時:2019年11月2日 13時

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