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２限を受けている最中もまったく集中なんてできるわけがなくて
永瀬さんが芸能人だという現実を改めて突きつけられていた。
あかりは不思議そうにしているけど
なにかを察しているのか、なにも聞いてくることはなかった。
さっきの永瀬さんの顔は見たことないくらい冷たくて
でもどこか辛そうで
私のことなんて見えてないんじゃないかというくらい
静かに私の横を通り過ぎた。
永瀬さんの香りがまだ頭に残ってて
昨日までは好きだった彼の香りが
今じゃ忘れたくて仕方ない。
ブーブー
マナーモードにしている携帯が静かに振動した。
廉くん : ２限終わったら303室来てー
さっきとは違って昨日と同じような文面に彼の本心が分からなくなった。
さっきの冷たい彼を見た後に
とても会う気にはなれなかった。
なにより、心にブレーキをかけた今
永瀬さんに会って余計に好きになることが嫌で
携帯の電源を切って、気付かないフリをした。
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作者名：Ｓ | 作成日時：2018年9月3日 1時
