誰かさんの落し物（R.N） (ページ25)

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そこから上がり時間までの30分間は

ボーッとしていることが多いことは自分で分かっていた。

「おっ、もう23時か！Aー上がっていいぞ、ありがとな」

と、店長に言われ

「お疲れ様でしたー！」

と１人ずつに声をかけて更衣室に戻った。

ハァ。

小さくため息をついたものの

この静かな部屋ではやけに大きく響いた。

コンコンっ

ドアのノックの音に

「はーい？どうぞ」

と声を出すと

ゆうとさんがひょこっと現れた。

「飯、食う？」

「んー今日はやめ「食うよな！おっけー！」」

断ることを許さないかのように言葉を遮り

「かける！A飯食うって♪」

と結局キッチンのかけるさんに賄い作りを任せていた。

これもゆうとさんの優しさで

お兄ちゃんみたいな彼には本当にいつも救われる。

それからすぐに作られたご飯を空いている部屋で食べた。

さっきまで落ち込んでいたが、美味しいご飯を食べると気が紛れたのも事実で

食べ終わった頃にはさっきのようなため息がでることはなかった。

「ごちそさまです！」

かけるさん、ゆうとさん、それから店長に言って最後にまた「お疲れ様でーす！」と一言いい裏口から外へ出た。

三段ほどの階段を降りて帰ろうとすると

店の前に止まっていた車からプッと短いクラクションが鳴った。