セ、ン、パ、イ

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“コイツは、『文化祭特別臨時委員会』委員長の中島卓也ね。”

“ども。”





会長に言われて初めて知った名前。




“この子は、副会長のAA”

“……知ってる”




私が自己紹介しなくても、
先輩は私の名前を知っていた。






会長の言ったことにしか反応しない先輩に、
会長が小声で怒った。





“お前さ、もっとなんかないの？”

“なんかって？”





私は先輩のことをよく知らないわけだから、
この人苦手かも。なんていう印象を抱いた。



ちょうどやることも終わっていたので、
先に帰ろうと荷物をまとめた。





はやく帰りたい。
そう思った理由は、先輩の一言。






“別に話したいってわけじゃないし。”




知ってる。ちゃんと理解していたつもりだった。
でも、正直に言われると傷つくもの。


そりゃ、初対面の一つ下の私と話すことなんてなにもない。
逆に、話したい！っていうガンガン系もちょっといやかもしれない。






私に気を使ってくれている会長と、
マイペースで正直な先輩。



この感じがいやだった。
だから、私はさっさと、帰る支度を始めた。









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