セ、ン、パ、イ

▽４９． ページ49

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「あーっつい！」




学校にいても、外にいても。
どこにいても暑い。


そのうだるような暑さが嫌だ。





「ねぇ、ソフト食べに行こうよ。」

「…まさかとは思うけど、それも俺の奢り？」

「もちのろん。」




マジかよー、財布の金飛んでくわー。
そういいながらも笑顔でいる遥輝。

遥輝は本当に、笑ったら猫みたいにかわいい。




「近くにあったっけ。」

「コンビニ。」

「えー、安い！」

「文句言わない！」

「いっその事、海にでも行く？」

「馬鹿なの？」




奢られることをいい事に、冗談半分な言葉を並べる。

こんなに私が話すのも、
黙るといつ口を開けばいいかわからなくなりそうだったからだ。




「じゃあ、コンビニでいいよ。」

「でいいよってなんだよ。」

「コンビニ涼しいもん。」




私たちの中で、コンビニといえば、
たった一つのコンビニを指す。


学校からも、それぞれの家からも程よい距離で。
何かを食べながら帰っても。遠くなく、近くなく。





「あなたとコンビに。ってよく思いついたよね。」

「コンビニとコンビとか最強じゃね？」

「ん？なんて？」

「コンビニとコンビ。」

「ややこしいわ。」





遥輝と笑っているときが、一番楽しい時間かもしれない。








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