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そのキスは、一瞬ではなかった。

何十秒もしたわけではないけど、私にとっては長かった。





目があって、なぜかそらせなくて。

お互いが言った。
“キスをしよう”って。





ゆっくりと近付きあって。
ゆっくり合わさって。



離れた後も、何秒か目が合っていた。









誰かが歩いてきた音で、私たちは元の作業に戻った。
それからは何も話さず、ただひたすらに洗うだけ。



















学校祭の準備の時間も終わって、帰ろうと玄関へ向かう。

今日は生徒会も何もなくて。
真っ直ぐに家に帰れる日だった。






「A!」




名前を呼ばれて、振り向いたら遥輝が走ってきた。



「一緒に帰ろう。」



だいぶ走ってきたのか、
遥輝は息を切らして肩で息をしてた。





うん、と頷く。
そしたら、遥輝は「よっしゃ」って笑った。







「今日、Aさ。
 アレ洗うの長かったな。」


「うん、落ちにくくてさ。」





ふーんって隣から聞こえた。




「…そういえば、梨乃と何話してたの?」

「・・・。」




思い出しただけで、また顔が熱くなった。


遥輝はそんな私を見て、「熱でもあんの?」とかいう。







…熱だったら、どれだけいいか。
思い出すだけで顔が赤くなるとか嫌だもん。







「卓也。」

意外と近くで先輩の名前が聞こえて、
身体がビクッて反応した。





右側から先輩が来てた。

三年生の下駄箱に行くには、私を通り過ぎないといけない。
顔を合わせたらまた、思い出してしまう。


でも、なんか言ってくれるんじゃないかなって期待してしまうのが私で。






結果、私はその場からとくに動かなかった。









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瑠璃(プロフ) - ハムさん» ありがとうございます!これからもぜひお付き合いください! (2017年3月21日 15時) (レス) id: 578acd86f7 (このIDを非表示/違反報告)
ハム - めっちゃキュンキュンします…/////// (2017年3月12日 16時) (レス) id: 5b86c41bd0 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!!更新がんばるので、これからもおつきあいお願いします!! (2017年3月11日 14時) (レス) id: 578acd86f7 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - らんさん» コメントありがとうございます!!…結末はハッキリ言うともう決まってるんですけど…楽しみに待っていてください!!更新がんばります!! (2017年3月11日 14時) (レス) id: 578acd86f7 (このIDを非表示/違反報告)
あい - すごい面白いです!選手が先生なんて良いですね〜。これからも頑張ってください! (2017年3月11日 10時) (レス) id: 11e0fd23e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠璃 | 作成日時:2017年1月11日 16時

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