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今日の夢は、なんだったっけ。


先輩が出てきて。私に話しかけてくれて。笑ってくれて。


あぁ、そうだ。
昨日の夢も同じような夢だった。




何度も同じ夢を見るくらい、
先輩に会いたかった。
話したかった。






もし、もしもの話。

明日、先輩に会えたら、話すことができたら。
私は何を話そうか。



学校祭の準備は順調ですか?
演劇、すごいですね。
ていうか、最近暑くないですか?
そうですよね、夏ですもんね。



考えては会えなくて。
考えては会えなくて。




もしも、いつか、だったら。
そんな夢物語ばっかりで。









「・・・。」




鏡越しに先輩がいて。
夢じゃなくて。


だから今、私は昨日考えたことを話さなきゃ。
せっかくのチャンス。





先輩は無言で私の隣に立った。



どうしようって私がパニくる。
顔が熱くなる。



…だって、だって。









「…距離、近い…、ですね。」






手だけが冷たい。
この水を、頭からかぶったら顔は冷えるのに。



鏡に映る私の顔は赤かった。





「…あ、じゃあ。
 終わるの待ってるから先に洗って。」





先輩が言う。

ゆっくりと、一歩一歩。
先輩は下がる。





隣のぬくもりがなくなって。
鼻をくすぐる先輩のにおいがなくなって。









初めて先輩に会った時のあの感じ。
助けてもらったとき、ギュッとしてもらったあの感じ。









「…あの、」




何を言い出そうとしたのか、後から思い出そうとしても無理だった。



それは、





「あのさ、」




先輩に言葉を遮られたからなのか。









「俺と距離…近いの嫌?」








私をまっすぐに見つめた瞳。
私の瞳に映った赤い顔。









「…あ、いや…」








「俺は…嫌じゃないけど。」









.









.









「むしろ、その、逆…だったり…。」









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瑠璃(プロフ) - ハムさん» ありがとうございます!これからもぜひお付き合いください! (2017年3月21日 15時) (レス) id: 578acd86f7 (このIDを非表示/違反報告)
ハム - めっちゃキュンキュンします…/////// (2017年3月12日 16時) (レス) id: 5b86c41bd0 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!!更新がんばるので、これからもおつきあいお願いします!! (2017年3月11日 14時) (レス) id: 578acd86f7 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - らんさん» コメントありがとうございます!!…結末はハッキリ言うともう決まってるんですけど…楽しみに待っていてください!!更新がんばります!! (2017年3月11日 14時) (レス) id: 578acd86f7 (このIDを非表示/違反報告)
あい - すごい面白いです!選手が先生なんて良いですね〜。これからも頑張ってください! (2017年3月11日 10時) (レス) id: 11e0fd23e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠璃 | 作成日時:2017年1月11日 16時

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