セ、ン、パ、イ

▽４． ページ4

＊









「Aね、好きな人できたんだってぇー。」


「「はぁ？！」」






また私たちの声がかぶさったけど、
そんなこともう気になんなかった。



だって、梨乃の言葉。








「ちょ、まだ好きじゃないし！」


「まだ？じゃあこれから好きになんの？」


「そういうことじゃなくて！」






私と梨乃の様子を見て、遥輝がおなかを抱えて笑い出した。




「なにそれ、超おもしれぇ！」




・・・今の会話に何か面白いことでもあったかな？









「A、よかったな。俺、安心したよ。」

「な、なにが・・・。」

「Aが、ブハッ、こ・・・恋・・・。」






腹立つ！


何コイツ、腹抱えて笑ってんの？！
なんで話の途中で笑い我慢できなくなってんの？！






「なにがそんなに面白いわけ？！」

「だ、だって・・・・アッハハハハハハハハハハ！」





笑い袋なの、あなたは笑い袋なの？




「安心しなよ遥輝、Aの好きな人文化祭の委員会委員長だから。」

「え、あの人？野球の先輩じゃん。」








なぜ、私に好きな人ができたなんてなってるんですか。

一言も話してないよ？！そんな風に言ったことないよ？







「もうなんでもいいや。」





私のあきらめた時のつぶやきが、あいつらに届けばいいのに。









＊

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