セ、ン、パ、イ

▽２４. ページ24

＊








教室でいつものように騒いでる男子たち。

それぞれ輪になって話す女子たち。




一方、自分の席で携帯を眺める自分。







画面は梨乃のLINEんとこ。
……、そうだよ。先輩の写真見てんだよ。









「……朝から卓さん見てるとか、変態だな。」

「うぉいっ！」






慌てて携帯を閉じる。
カチッと音が聞こえて画面は真っ暗に。



私の後ろで何かをたくらんでいるかのような遥輝。






「よだれ、でてる。」



バッと、口に手をやるけど……あれ。



「でてないじゃん！」

「あっ、マジ？めんごー。」



それまで携帯を取られないように死守してた私だけど、
よだれ確認のため、携帯に兵士はあいにくいなくなってしまい。



「失礼しまーす。」



って、遥輝に軽々取られた。




「返してー！」



取り返そうとしても、背が違う。
無謀だ。




……あ、でも待てよ。
携帯には暗証番号がある。

私の携帯の場合、四ケタの数字を入れないと開かない。








「無駄なことはやめなよー遥輝くぅ〜ん。」


私はゆったりと、椅子に座りなおす。


「うわ、マジの卓さんじゃん。
　梨乃お手柄だな。」






・・・・。


おい待て。

おいおい。





「うわー、ちゃっかりカメラロールに追加してる。」




おい西川遥輝くん！



「ちょ、ありえない。」



遥輝の後ろから携帯をのぞくと、
あの閉じたときとは異なる画面。

……、カメラロール見てる！！






「返してよ、本当に！」



先輩の写真は確か、その中には一枚しかない。
でも、変なことに悪用されたらやばい。









「遥輝ー。」





入り口から、遥輝が呼ばれた。



「あ、はい。」



入り口に立っているのは、
誰でもない。先輩。




遥輝は、まるで自分のもののように
私の携帯をポケットに入れた。







＊

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