セ、ン、パ、イ

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＊








会長はまだやることがあるらしいので、
生徒会室の前で別れた。



私は東階段から下に降りようとしていたら、
会長は廊下をそのまま真っ直ぐ。



三階の教室なんか、二年生の教室しかないし。
あってもこういう準備室とか。



やることってなんだろう。









校舎の中はうっすらと明るいものの、
人がいないのでなんとなく恐い。


下まで会長に付き合ってもらえばよかったと後悔。
でも、会長のことだからきっと私をからかうだろう。


……どっちもどっちか。








ちょうど一階に降りたとき、
鞄の中の携帯が鳴った。



携帯を取り出してみると、
LINEが来てた。






遥輝【生徒会終わった？】





あぁ、そっか。
今日遥輝は部活か。





【うん、終わった。】






じゃあ、グラウンドにでも行ってみようかと思った。

生徒玄関にたどり着くと。


下駄箱に寄りかかっている人の姿。








「遥輝。」

「あ。」






今日は、部活じゃないのかな。
制服を着たままの遥輝に少し不思議な気持ち。






「今までさ、委員会だったの。
　そしたら今日は早く部活終わる日で。
　とっくに終わってたんだよね。」





頭をかきながら苦笑。

でも、一緒に帰れるならうれしい。
一人よりは絶対にいいから。





「じゃ、一緒に帰れるの？」

「うん。帰ろうと思って待ってた。」





遥輝は昔もこうだった。
こうやって、嬉しくなっちゃうような言葉をサラッと言う。



私はもう十分に遥輝を待たせたはずだから、
慌てて靴を履いた。






「慌てないでもいいのに。」

「だって。」




ローファーはスムーズに履けた。
珍しく。









.









.









「聞いてよ。」








外に出てから、遥輝が思い出したように話し始めた。









「ん？」

「これ、掃除してたら出てきた。」









.









.









遥輝の手には、懐かしい思い出がつまった、
ハートのネックレスがあった。









＊

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