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▽12. ページ12










一人で運べばすごい時間がかかって嫌になるのに。

先輩が隣にいたから、
すごい早くて。もう少し長くてもよかったのに。






「ありがとうございました。」



生徒会室の扉を閉めて、鍵をしめて。
これで矢代先生に言われた仕事は終わり。


私が軽く頭を下げて、お礼を言うと、



「ん。」



先輩は小さく頷いて、
すぐに私に背を向けた。






もし、これが会長みたいな性格の人なら
もう少し一緒にいれるのかな。

とか、変な考えがよぎる。



もし、先輩が私に少しでも気があったら、
もう少し一緒にいれるのかな。

これも。
嫌になるほど、そんなありもしないことが浮かぶ。







小さくため息をついて、
私は先輩の後ろ姿を見送った。



うちの制服は、
女子がブレザー。男子が学ランと統一感がない。


先輩は、いつも学ランの上を着ない。
上はワイシャツだけ。


だから三年生の輪に入ると、
白いワイシャツが目立つ。




私はいつも、その姿を見るだけだ。
私たちが歩いてきたまっすぐな廊下。

先輩はそこには行かず、近くの東階段に行った。
人気のない三階の廊下まで聞こえる先輩の足音。




しばらくすると聞こえなくなった。









「あれ、Aじゃん。あ、生徒会?」



うちの担任の伊藤先生が、
生徒会室の向かえの『薬品室』から出てきた。

今日も、その長い髪の毛は頭頂部で大きなお団子になっている。

先生は薬品を触るときは髪の毛が邪魔だからと
大きなお団子を作るのだ。



「はい。」




そっか、と私に笑いかけ。




「もうすぐ昼休み終わるからね。
 授業遅れるなよ。」





先輩とは正反対の笑顔で私に言う。








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瑠璃(プロフ) - ハムさん» ありがとうございます!これからもぜひお付き合いください! (2017年3月21日 15時) (レス) id: 578acd86f7 (このIDを非表示/違反報告)
ハム - めっちゃキュンキュンします…/////// (2017年3月12日 16時) (レス) id: 5b86c41bd0 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!!更新がんばるので、これからもおつきあいお願いします!! (2017年3月11日 14時) (レス) id: 578acd86f7 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - らんさん» コメントありがとうございます!!…結末はハッキリ言うともう決まってるんですけど…楽しみに待っていてください!!更新がんばります!! (2017年3月11日 14時) (レス) id: 578acd86f7 (このIDを非表示/違反報告)
あい - すごい面白いです!選手が先生なんて良いですね〜。これからも頑張ってください! (2017年3月11日 10時) (レス) id: 11e0fd23e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠璃 | 作成日時:2017年1月11日 16時

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