第34話 ページ34
*
卓也に電話する少し前に、携帯が鳴った。
この時間だから卓也だろうな、なんて考えながらメールを見たら。
・・・まさかの杉谷さん。
内容は、『野獣みたいな卓也にお気を付けください。』的な内容だったかな。
野獣?やらしい妄想?
って、なったけど。まぁ、卓也はわかりやすいから。
何もないのに顔真っ赤な時点で気付くんだけどな。
・・・・ここまで赤いとは思わなかったけど。
*〜。
「・・・あー、あの。別に、考えてないから。安心して?」
顔が尋常じゃないくらいに赤くて、いつもよりもハッキリしない口調。
あきらかに、なんか考えてるよね。
絶対、そうだよね。
まぁ、別にいいけど。
「・・・ふーん。わかった、じゃ。ご飯にしよう。」
でも、あんまり問い詰めてもダメに決まってる。
てことで、私はそのまま話を終わらせた。
その時の卓也の安心したような顔。
面白くて笑いそうになった。
卓也はそのまま安心したような顔のまま、食器やら何やらをテーブルへ運ぶ。
一度に何個も運べる卓也の大きい手のおかげで準備は想像以上に速く終わる。
・・・こんなことなら、いつも手伝ってもらえばよかったかな。
今日のメニューは『ザンギ』
ついさっき、なんだか無性に食べたくなって。
味を染み込ませる時間がなかったから散歩がてらスーパーで素を買ってきた。
今の世の中便利だね。
だって、味を染み込ませるとなると何時間も、下手したら1日もかかるのに。
素のおかげで1時間も、30分もかからずにできちゃうんだから。
「わー、うまそう。」
今日のザンギはうまく揚げることができた。
たまに、油が怖くてまっ黒くなることも・・・あるけど。
「今日はザンギです。」
「・・・ザンギ?」
卓也が意味がわからないと言わんばかりの顔で私を見た。
あ、そっか。普通の人は、『からあげ』なのか。
「からあげ、からあげ!」
「あ、からあげ。」
必死になって、からあげ、って言ったら卓也は納得したように頷いた。
「たまに居酒屋でザンギってなんだろうって思ってたんだけど。
バカにされそうで聞けなかったんだよね。よかった、わかって。」
子どものような笑顔で卓也は『ザンギ』に手を伸ばした。
それから、「うまっ。」って小さく言った彼がかわいかった。
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瑠璃(プロフ) - fumiさん» いつもありがとうございます!なんか、フミさんの感想いつもおもしろくて好きです。笑 …、ま、ま、まぁ。甘くできるようにが、頑張ります。笑 プリンちゃのお世話ご苦労様です。かわいがってくださいね。私は宿題に追いつめられてます。涙 (2016年4月1日 18時) (レス) id: f50f5dce67 (このIDを非表示/違反報告)
fumi(プロフ) - 瑠璃さん» 待ってました。はみ出し企画!笑 こういうの私大好きです(*^o^*)リクエストですかぁ...うーん。あんまり本編を読めてないんですが、キスとか...キスとか...あの、えっと...///もっと甘くして下さい(^_−)−☆ 甘くなったらご報告下さいね♪プリンちゃと遊んで待ってます (2016年3月30日 16時) (レス) id: a73de86883 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - かえでさん» 羽美さん!はい、かえでさん。笑 友達申請許可させていただきました。ありがとうございます。じゃ、かえでさん!最後までお付き合いください!リクエスト等ありましたらガンガンくださいね!笑 (2016年3月28日 11時) (レス) id: f50f5dce67 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - かえで(旧羽美)です。前の携帯が壊れちゃってログイン出来なくなりました(・_・;)これからは、こっちのアカウントで瑠璃さんの小説を読んだりしていきます笑友達申請させていただいたので是非お願いします。これからも更新頑張ってください! (2016年3月28日 11時) (レス) id: 01163ed76e (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - fumiさん» いつもありがとうございます!100人…想像もしてなかったです。笑 春休みは野球のおかげで充実してます。朝まで起きてるとお肌によくないですよ。笑 よかったです、中島さんの良さに気付いてくれて。笑 …冗談ですよ? (2016年3月28日 10時) (レス) id: f50f5dce67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃 | 作成日時:2016年3月8日 17時