▽８８. ページ38
＊
弥佳先輩は騙せたとしても、自分は騙されることなんかない。
だって、今この瞬間も考えるのは先輩のこと。
あの時、出てしまった言葉。
好きです、なんて言った後にもう好きじゃないって言うなんて…誰がどうみたって見え透いた嘘。
「…そうだよ！よく言った！」
弥佳先輩は知らない。
私が先輩に告白したこと、
だからそんなこと言えるの。
こういう時に限って本音が出てこない、
いつもいつも自分の身を守る厚い"何か"を作って。
大して役にも立たないのに。
「苦しい恋しても、傷つくだけだよ。
Aならもっといい恋できる！」
苦しい恋は傷つくだけ。
よくわかる。共感する。
「遥輝とかどうなの？仲良いでしょ！」
…遥輝。
遥輝、遥輝？
あれ…私にとって遥輝って、
「遥輝は、」
遥輝は？
「私、結構遥輝とAいいと思うよ？」
外から見ててね、
付け加えられた弥佳先輩の言葉。
「…俺が、なんかありました？」
返答に困っていた私の元に、遥輝が現れた。
弥佳先輩はちらりと不満そうな顔をしたものの、噂をすれば！ってすぐ笑顔。
「弥佳先輩、先生が呼んでたんで行った方がいいですよ。」
「え、もしかして大魔王？」
「はい、もちろん！」
私なんかやらかしちゃったかな？とかなんとかブツブツ文句を言いながら
「じゃね、あとよろしく」
と弥佳先輩は去って行った。
「A、俺のことどう思ってんの？」
「…え？」
「だって、先輩に答えられてなかったから」
顔にカッと熱が上がって来た。
弥佳先輩にすら答えられなかったのに本人を目の前にして言えるわけがない。
「いや、それは…」
「この前、…この前さ、俺がキスしたとき。Aはなんで？って直球に聞いて来たじゃん？」
ドキッとした。
遥輝の言う通り、私は遥輝に答えにくいことを聞いていた。
そして、遥輝はきちんと答えを出してくれていた。
私にとって遥輝は大切な存在なはずなのに、
大事な相談相手？
大事な友達？
今でも仲のいい元カレ？
なんだか、そんな言葉では表せない気がする。
どれも当てはまらないと誰かが言う。
かと言ってある二文字にも収まらない。
「遥輝は私の大事な友達だよ。」
またひとつ、嘘をついた。
＊
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佐倉 - 楽しみです！更新待ってます！ (2020年3月11日 14時) (
レス) id: 8cdfd0b874 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 麗奈さん» 返信遅くなり、本当にごめんなさい！やっとこさたったの3話だけですが更新することが出来ました！待ってくださり、ありがとうございます！ (2018年1月11日 20時) (レス) id: 0f1b901e31 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈(プロフ) - 忙しいとは思いますが更新頑張ってください！待ってます!!!!!! (2017年10月23日 13時) (レス) id: 74c830a39c (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 美月さん» コメありがとうございます！もっとキュンキュンしてもらえるよう日々精進していくのでこれからもよろしくお願いします！ (2017年4月6日 13時) (レス) id: 578acd86f7 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - シホさん» コメありがとうございます！春から更新する時間が上手く取れなくなると思いますが私なりに頑張ります！これからもよろしくお願いします。 (2017年4月6日 13時) (レス) id: 578acd86f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃 | 作成日時：2017年3月23日 12時
