▽８２. ページ32
＊
扉が開いて、心臓がドクンと跳ねた。
その、まさか。
だった。
扉が全開に開いて、勢い余って跳ね返る。
そして、音が止んだ時。
私たちの目が、いつぶりだろう。
まっすぐに何にも邪魔されず。
バチっと合った。
「…ぁ、」
なにか、喋ろう、
このままじゃダメなんだから。
なにかを…！
「えと、…こんにちは。」
その何かがただの挨拶だった。
「…こんちは、」
先輩も、気まずそうに言う。
さっきよりも遠慮したように、静かに扉を閉めて。
本当に小さく閉まる音がした。
…どうしよう。
話題。
そのワードで頭を駆け巡ったのは、弥佳先輩が言ってた言葉だ。
でもだよ？
弥佳先輩は、先輩に断った上で私に教えてくれたのだろうか。
もし、弥佳先輩に限ってないとは思うけど。
なにも言わずに私に教えてくれたのだとしたら、「なんでこいつ知ってんの？俺のこと好きなの？」ってなるし。
断った上だとしても、「なんでこいつ直接聞くの？俺のこと好きなの？」ってなるよね。
いや、まずその前に。
なによりもまず、直接聞けない！
「私といて、ドキドキするのは、女慣れしてないからなんですか？」って聞けと？え？
先輩に聞けるかよ！
そう聞いたら絶対に「なにこいつ、いま馬鹿にした？こいつ俺のこと好きなの？」ってなるよ。なるなる。
……何にしても、私が先輩に抱く感情がバレる。
先輩も先輩で、どうすればいいのかと迷っているように見えた。
ポリポリと頭をかいて考えていた。
…私は、もう用事がないわけだから…。
このまま教室に戻って昼ごはんを食べてもいい。
でも、ここでせっかく会えて。
今さっきまで話したい話したいって強く思ってたのに。
ここで戻ったら、何も変わらない…。
それでも、弥佳先輩から聞いた言葉を確かめたくない。
仮に聞けたとして、「そうだよ」なんて言われたらどうする？
弥佳先輩を信用してないとかの話じゃなくて。
せっかくなら、私だからドキドキしたんだって自惚れたいじゃない。
それがただ、女慣れしてないの一言で済まされた時。
私は、どうしたらいいの？
私の気持ちは、どこにしまい込めばいいの？
＊
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佐倉 - 楽しみです！更新待ってます！ (2020年3月11日 14時) (
レス) id: 8cdfd0b874 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 麗奈さん» 返信遅くなり、本当にごめんなさい！やっとこさたったの3話だけですが更新することが出来ました！待ってくださり、ありがとうございます！ (2018年1月11日 20時) (レス) id: 0f1b901e31 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈(プロフ) - 忙しいとは思いますが更新頑張ってください！待ってます!!!!!! (2017年10月23日 13時) (レス) id: 74c830a39c (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 美月さん» コメありがとうございます！もっとキュンキュンしてもらえるよう日々精進していくのでこれからもよろしくお願いします！ (2017年4月6日 13時) (レス) id: 578acd86f7 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - シホさん» コメありがとうございます！春から更新する時間が上手く取れなくなると思いますが私なりに頑張ります！これからもよろしくお願いします。 (2017年4月6日 13時) (レス) id: 578acd86f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃 | 作成日時：2017年3月23日 12時
