▽８１. ページ31
＊
扉を開ける。
もちろん足で。
紙タワーを運ぶ時は、
職員室に行く前に鍵を開けておく。
なんとか運んで机に置く。
ドスンと音がした。…ように聞こえた。
運んだし、もう用事は済んだ。
昼ごはんを食べなくちゃ。
そう頭では思ってるのに、ホワイトボードが目に止まって私はそれを見た。
書記の、弥佳先輩の字。
浮かぶ、あの時の言葉。
"「ドキドキしたのは、女慣れしてないから。
ただ、それだけ。って。」"
ホワイトボードに浮かぶ。会長の落書き。
"我が3Bの演劇は3日目だよ"
演劇。先輩の、ジーニー…。
公演課でみた、先輩の姿。
あの時、
抱きしめられた時。
キスした時。
抱きしめた時。
全部の感触、忘れられない。
先輩の震えた声も。震えた手も。
大きい背中。すぐ赤くなる顔。
紙タワー…もう見たくない。
生徒会室や、体育館のそば。家の前まで。
通るたびに思い出して。
私だけ、ドキドキして。意識して。
こんなに好きなのに。
自分なりにこれが恋だと伝えたのに。
先輩には伝わらないんだ。
あの時から話さなくなってもうしばらく経つ。
先輩はきっと、何も思ってないんだろうな。
棚に置いてある、今年の学祭プログラム。
最終日の花火。
もしかしたら、なんて期待してたのに。
3日目の3Bの演劇。
楽しみだった。
それよりも以前に、
公演課の日々が楽しみだった。
終わった時、終わるのが惜しくなるんだろうなって思ってた。
…今は、どうだろう。
今、今…今の気持ち。
.
.
.
「…話したい、」
少しでも、話したい。
話せたらいいのになって程度の話じゃなくなった。
話したい。話したいって。
顔観れるだけでいい。
見かけるだけでいい。
じゃ、ない。なんかじゃない。
「話したいです…先輩…。」
やっぱり、先輩が好きだ。
なんの確認だろう。
自分で自分を笑う。
プログラムを、そっと棚に戻した。
「そのもしかして、が、起きますように。」
その時、音とともに扉が開いた。
＊
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佐倉 - 楽しみです！更新待ってます！ (2020年3月11日 14時) (
レス) id: 8cdfd0b874 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 麗奈さん» 返信遅くなり、本当にごめんなさい！やっとこさたったの3話だけですが更新することが出来ました！待ってくださり、ありがとうございます！ (2018年1月11日 20時) (レス) id: 0f1b901e31 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈(プロフ) - 忙しいとは思いますが更新頑張ってください！待ってます!!!!!! (2017年10月23日 13時) (レス) id: 74c830a39c (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 美月さん» コメありがとうございます！もっとキュンキュンしてもらえるよう日々精進していくのでこれからもよろしくお願いします！ (2017年4月6日 13時) (レス) id: 578acd86f7 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - シホさん» コメありがとうございます！春から更新する時間が上手く取れなくなると思いますが私なりに頑張ります！これからもよろしくお願いします。 (2017年4月6日 13時) (レス) id: 578acd86f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃 | 作成日時：2017年3月23日 12時
