▽８０. ページ30
＊
あの会長ときたら…！
昼休み。
職員室に向かう途中、
私の心中は会長への悪口でいっぱいだった。
だいたい、挨拶まだ考えてないってどういうつもり？！
などなど。
怒りが顔に出てるのか、すれ違う人に二度見される。
私は今から、
会長に押し付けられた仕事をしに行くのです。
そうなんです、偉いんです。
この気持ちを前面に身体で表現しながら歩く。
私はそのプロかもしれない。
「失礼します！」
勢い余って職員室の扉がすごい音をたてた。
「…す、すみません……。」
焦って扉を押さえても意味なし。
時すでに遅し。後悔先に立たず。
「えっとー…、矢代先生、」
あれ、大魔王ってこんなにも話しかけにくかったっけ。
「会長の代理で、紙タワーを運びに…」
「…そうですか、鍵谷くんの代わりに。」
先生のメガネが怪しく光って。
先生はクイっとメガネをあげた。
「山田さんは、偉いんですね。
鍵谷くんも会長として忙しいのでしょう。」
先生違うんです！
あの人自身の責任なんです！サボりなんです！
挨拶も出来てないんですよ！！！
喉まで出てるのに、なぜ声に出ない。
「あ、ありがとうございます…、」
大魔王を前にすると騒がしい私も米粒程度の存在。いや、もしかしたら鼻くそ。
「では、よろしくお願いします。」
ズシ、っと腕にその重みが来る。
…いや、今日は少し軽め。高さが低い。
「…くれぐれも、慎重に。」
そういうくらいなら紙タワーなんて作らないでくれ！！
切実な願いは今日も声には出ず、
私の中で響いて終わり。
私の中では"やまびこさん"状態なのに。
うるさいほどに響いてやがるぜ！
「失礼しました。」
紙タワーを慎重に抱えて、扉を足で閉める。
だらしないけど、これしか方法がない。
だって、大魔王は手伝ってくれないんだから、
.
.
紙タワーを持つと思い出す。
あの思い出。
懐かしくも気まずくて。
それでもどこか、愛しい。
＊
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佐倉 - 楽しみです！更新待ってます！ (2020年3月11日 14時) (
レス) id: 8cdfd0b874 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 麗奈さん» 返信遅くなり、本当にごめんなさい！やっとこさたったの3話だけですが更新することが出来ました！待ってくださり、ありがとうございます！ (2018年1月11日 20時) (レス) id: 0f1b901e31 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈(プロフ) - 忙しいとは思いますが更新頑張ってください！待ってます!!!!!! (2017年10月23日 13時) (レス) id: 74c830a39c (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 美月さん» コメありがとうございます！もっとキュンキュンしてもらえるよう日々精進していくのでこれからもよろしくお願いします！ (2017年4月6日 13時) (レス) id: 578acd86f7 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - シホさん» コメありがとうございます！春から更新する時間が上手く取れなくなると思いますが私なりに頑張ります！これからもよろしくお願いします。 (2017年4月6日 13時) (レス) id: 578acd86f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃 | 作成日時：2017年3月23日 12時
