水色受け短編集

cnyt 甘え ページ31

｢中島さんだけ巻きでお願いします！｣




マネージャーがそう言った。




え…また俺だけ？


最近、とてつもなく忙しい。





有難いことに演技のお仕事とかベストジーニストとか。




ドラマの宣伝もある中で雑誌の撮影。バラエティ番組の収録。





正直、知 念と同棲してるのに寝顔しか見れてなくて辛い。






けど、グループのためだから。



そうやって意気込み、撮影が始まった。






｢中島くん、もうちょっと笑顔！｣




｢中島くん、笑顔笑顔！！｣






俺のせいでピリピリとした雰囲気となった撮影。





｢ゆうとくん大丈夫？｣



なんてやまは心配してくれたけどありがた迷惑。



イライラが募っていくだけだった。






･






あれから、ピリピリした雰囲気だったけど撮影は終わり、帰りの支度をしていざ帰ろうと思って楽屋を出た。




すると、ぼそぼそとスタッフが話している声が聞こえた。


盗み聞きするつもりはなかったけれど、聞こえちゃったから。




｢中島さん、最近面倒くさいよねー｣





｢わかる、正直今日押したのも中島さんのせいじゃん｣





｢メンバーも大変だよね〜｣






｢っ…｣



涙が押し寄せてきた。


グループの為だと言い聞かせて頑張ってきた。




スタジオから家が近かったから、歩いて帰った。





グループにいる存在価値を考えながら。






ガチャっとドアを開けて靴を脱ごうとした時、ふと温もりを感じた。





｢なんで、泣いてるの？｣




知 念が抱きしめてた。





｢ふっ…ぅっ…スタッフさんが…おれの悪口……言ってて…ｸﾞｽｯ｣




｢さいきんっ…忙しくてっ…いらいらしてっ…｣




1度でてきた言葉は止まらなくて、号泣して知 念に抱きついた。





｢うん。よく頑張った。疲れちゃったんだよゆうとが｣




｢ｸﾞｽｯ…うん…｣




｢顔上げて？｣




ちゅっ





知 念は可愛いリップ音を出しながら俺の唇にキスをするともう一度抱きしめてくれた。




｢明日、休みでしょ？｣




｢うん…｣




｢ゆっくり休もうね｣




｢っうん！ありがとう!!｣







次の日ゆっくり休んで無事仕事に復帰出来ました。

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