七番目 ページ7
境界と言うので、ヤコさんの境界や土籠先生みたいに物がたくさんあるイメージだったんだけど……。
「……きれい…」
「これ、全部桜…か?」
「そう、品種は一つ一つ違う。だから本来なら咲く季節も適した環境も違うからこんな光景それこそ境界(ここ)じゃなきゃ見れない」
満開の桜が最早森と言えるほど目の前にある。
今立ってる場所は草原のようになっていてピクニックにぴったり。
それにぽかぽかとした暖かい陽気。
上を見上げても太陽なんてないのに…。
「椅子と机は…まぁ、人が来ることなんて滅多にないし無いんで。地面に座ってください。お茶はこれで。……さ、聞きたいこと何でもどうぞ」
「んじゃ、一つ目ね。…君、いつからここに居るの?」
「……千年ぐらい前……いや五百?…すんません覚えてないです」
驚愕の年齢で固まる。
どう見ても同い年くらいなのに…
でも人魚も千年って言ってたし……。
とりあえず落ち着くために渡されたお茶に口をつける。
「あ、お茶美味しい」
「……はは、そりゃあよかった!ありがとやしろさん!大好き!」
「わ!」
急に抱きつかれたけど、花子くんに度々抱きつかれてるからそんなに驚かない。
すぐ花子くんに引きはなされたけどね。
「ヤシロは俺の助手だからダーメ。それにしてもそんなに長く居るのになんで俺分かんなかったんだろ」
「……ちぇ。あ、七番様が疑問に思ってるそれ。俺心当たりありますよ」
「へ、何々?」
一拍、何かを探すように花子くんを見るAくん。
そして何故か悲しそうに、Aくんは言った。
「七番様が元この学園の生徒だから、でしょうね。その時の噂が原因でしょう」
「………噂?」
「俺、噂ちょこちょこ変えてるんですよ。たしか七番様の時は…
『桜の木にいる精霊さん。その人はこの学園の生徒の友達で、その名前を覚えていればいつでも助けてくれる。でも名前を忘れてしまえば精霊さんは怒り、その人の精霊さんとの記憶を全て抜き取って精霊さんと言う友達を消してしまうでしょう』ですね」
そう言って立ち上がるとポケットからビー玉みたいな物を取りだし、花子くんに渡すAくん。
「これがその記憶ってやつです。ま、あんまり必要ないですけど俺のこと思い出したいんなら飲み込んでください」
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ロト - さくらさん» コメントありがとうございます!面白くなるよう頑張ります! (2020年3月15日 20時) (レス) id: 84710b8cd8 (このIDを非表示/違反報告)
ロト - 清香さん» コメントと優しいご指摘ありがとうございます! (2020年3月15日 20時) (レス) id: 84710b8cd8 (このIDを非表示/違反報告)
ロト - 空さん» コメントありがとうございます!がんばります! (2020年3月15日 20時) (レス) id: 84710b8cd8 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 面白いです!更新頑張ってください! (2020年3月15日 17時) (レス) id: 0dceb865d4 (このIDを非表示/違反報告)
清香 - クラスがグラスになっていますよ。 (2020年3月15日 13時) (レス) id: cd0a855dc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロト | 作成日時:2020年3月8日 23時