三番目 ページ3
平均よりも少し小さな背に、明るい茶髪。
あれは確か、転校生の…
「Aくん?」
「わあああああ!?!??!!……って、やしろさん?」
大げさなくらいに肩が跳ねて振り返ったAくんの手の中に筆とスケッチブックがあるのが見える。
その紙に描かれている絵は、とても綺麗な桜の木で思わずため息が出た。
「…あれ?Aくんって美術部だったっけ?」
「ぁ……。えっとね、…趣味。趣味で僕絵を描いててさ、放課後はここでこっそり絵を描いてるんだよね!部活は…僕、人と話すの苦手だし……」
だんだん小さな声になりながら、顔を赤くし縮こまるAくん。
実はクラスで三番目にかっこいいと思っている相手なので、そんな仕草にもちょっとドキドキする。
「そっか…。それにしてもAくん、綺麗な絵を描くんだね!」
「人に見せられるほどじゃないけど、ありがとう。…やしろさん、もう帰ったほうがいいんじゃないかな。暗くなっちゃうよ」
「あ!本当だ……。Aくんも早く帰らなきゃ」
「僕、教室に忘れ物あるから。…やしろさん。気をつけて」
そう言って手をふるAくんはクラスにいる時より優しくて、寂しそうな笑顔だった。
まるで、迷子の子供みたい。
「ああ!言い忘れてた。やしろさん!」
「なぁに?」
「_____お願い。この桜の枝だけは、絶対に折らないでね。
絵のモデルが変わっちゃったら、僕少し困るから!それじゃあバイバイ!」
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ロト - さくらさん» コメントありがとうございます!面白くなるよう頑張ります! (2020年3月15日 20時) (レス) id: 84710b8cd8 (このIDを非表示/違反報告)
ロト - 清香さん» コメントと優しいご指摘ありがとうございます! (2020年3月15日 20時) (レス) id: 84710b8cd8 (このIDを非表示/違反報告)
ロト - 空さん» コメントありがとうございます!がんばります! (2020年3月15日 20時) (レス) id: 84710b8cd8 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 面白いです!更新頑張ってください! (2020年3月15日 17時) (レス) id: 0dceb865d4 (このIDを非表示/違反報告)
清香 - クラスがグラスになっていますよ。 (2020年3月15日 13時) (レス) id: cd0a855dc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロト | 作成日時:2020年3月8日 23時