43話 ページ45
『あれ?皆さん、今日は休みなんじゃ?』
なんとなくでジャージに着替えてから体育館に来たAは練習をしている部員を見て驚く
「そういうAちゃんはほっぺどうしたの?」
『これはちょっとケジメつけてきた……的な?』
そう言いながらほっぺを触るA
どこか吹っ切れたような表情をしている彼女に清水はそっかと笑う
「あ!A!
ってほっぺどうしたんだ?」
『……転んだ
それより影山くん
私にトス、あげて欲しい』
そう言うAに周りは静かになる
影山も驚くが了承してくれる
「驚いたな、アタックしたがらないからおかしいとは思ってたが」
そこにいる全員が影山とAが話しているのを見てザワザワする
『お願い、影山くん
(私は飛べる……)』
そう言われボールをAに投げる影山
それを丁寧に影山にレシーブを上げる
『(ほんと、気持ち悪いくらい要望通り
……私の得意なトスだ)』
なんて思いながらニヤリと笑い助走に入る
『(懐かしいのによく知ってる
やっぱり私は……)』
高く飛び上がり誰もいない敵コートを見て中学時代を思い出す
アタックの音が1つ響く
『(……飛べた…打てた)』
そう思いながらボールを打った左手を見つめる
感傷に浸る間もなく日向がすごい!と寄ってくる
「ストレートきわっきわ!すっげぇ!」
『う、うん
ありがとう』
困っている様子ではあるが照れているのが隠しきれていないA
「俺にも教えてくれ!」
『……日向、分かった、分かったから一旦落ち着いて』
「後は練習の終わりにしろ
再開するぞ」
と言う烏養の声で練習が再開される
「Aちゃん、大丈夫?」
『あ、はい!えっと……ドリンク作ってきます!』
「う、うん、気をつけてね」
『はい!』
少しいつもより興奮したようなAが体育館を出てドリンクを作りに行く
『(体の痛みは無い
意識もはっきりしてる
もう……飛べるんだ)』
158人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:唯 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2021年2月1日 22時