オンボロ寮には先客がいたようで【ツイステッドワンダーランド】 (ページ45)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:28,594 hit

44話ページ45

『なんでもない日は久しぶりだなー』

｢この前のは行けなかったですもんね｣

と席に座り楽しそうに話す2人
ラッキーとグリムはそれぞれAとユウの膝の上でパーティが始まるのを今か今かと待っている

｢我らがリーダー！赤き支配者！
リドル寮長のおなーりー！｣

と言う寮生の声でリドルがやってくる

｢うん、庭の薔薇は赤く
テーブルクロスは白
完璧な“なんでもない日”だね

ティーポットの中に眠りネズミは……って
いや、いなくてもいいか｣

『なんかリドルくん楽しそう』

とリドルを見てそういうA
彼女も楽しそうでラッキーもユウも笑顔になる
だがリドルが塗り残しを見つけまた空気が重くなる

｢なんてね
もう薔薇の1本や2本で罰したりしないさ｣

｢ほ、ほんとー！？
リドルくん寛大！｣

｢みんなで塗れば早いだろうしね
でもAはまだ病み上がりだから休んでいてくれ｣

『別にこれくらいの魔法、大丈夫だよ
心配してくれてありがとう、リドルくん』

そう話してから残りのバラを赤く塗り始める
ラッキーも人の姿になり一緒に塗る

｢これ楽しいね｣

『そうだね
でもたまにでいいかなー』

とゆったりしているとすぐに全てが赤く変わり
またパーティが再開される

｢で、寮長の詫びタルトは結局どうなったの？｣

『確かに、リドルくんの作るタルト気になる！』

｢ち、ちゃんと作ってきてるよ
これ、この苺のタルトはボクが作った｣

｢うんうん、形は少し不恰好だけど
苺の艶を出すナパージュを塗るひと手間もかけてるし
初めてにしては上出来じゃないか｣

『確かに、美味しそうだよ
さすがリドルくんだね！』

そうトレイとAが褒める

｢はい、すかさず甘やかし入りました〜
ほっといて実食といきますか｣

食べる前にケイトが一枚写真を撮ってから切り分ける
それぞれがリドルの作ったタルトを一口食べる

『っん！？
こ、これは……』