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56話 ページ21

「ほんま天然で殺してくるのなんなん
まだ顔の熱引かへんし
俺に彼女ができたら寂しいとか可愛すぎやろ」

と他人の部屋で騒ぐ坂田
部屋の主の志麻はうるせぇと思いながら勉強している

「なぁまーしぃどう思う?
今日の感じやと脈ナシよなー
俺のこと異性として見られてないよなー」

「でも割と特別扱いなんじゃない
お前がAの心こじ開けたんやから
同じようにやればいいやろ」

「……それとこれとは話が違う
友達になるのと恋人では全然違う」

と鋭い目で志麻を見ながらそう言う坂田
その視線に気づいた志麻ははぐらかすようにオオカミは怖いなと言う

「え?オオカミ?A?」

「いや、お前や」

「え?どういうこと?
俺オオカミより犬やろ?
そんな怖ないで」

「別に怖くないけど
部活勧誘の時お前は見つけた獲物は逃がさないって感じだっただろ
まぁ本物の狼は諦め早いらしいけど
だからお前は犬系よりオオカミって感じだな」

とペンを置き目の前に座っている坂田を真剣な目で見る志麻

「志麻くんこそどうなん?
俺は諦める気さらさらないけど」

「え、俺?」

「だって志麻くんもAの事好きなんちゃん
変態発言するし、Aを見る目もなんかそんな感じする」

「あー確かにお前の言う通りAちゃんの事が好き
でもな、坂田
俺の好きとお前の好きは違う
大体ライバルだと思ってたらアドバイスせーへんわ」

「……ならいいけど」

「そんな疑うなって
それよりお前宿題とかないん?
早くしないと睡眠時間減るぞ」

「あ!ほんまや
それじゃぁ!」

と宿題を思い出して直ぐに部屋に帰っていく坂田
それを見送ってまた自分の宿題を始める志麻

「(確かに好きだけど
お前に勝てる未来見えねぇよ
だからさっさと諦めねぇとな)」

なんて思いながらペンをまた起き端末に手を伸ばす
今まで撮った写真を適当にスクロールしてから1枚ずつ見る

「(まぁ俺もそこまで本気じゃないし
坂田を応援したいし)」

なんて自分の気持ちに言い訳をしながら1枚1枚見ていく
そして最後に1番最近に撮った写真が出る

「やっぱりAちゃんの隣はお前がお似合いやわ、坂田」

と寝顔の写真を眺めてそう言う志麻
涙をぐっと堪えるが堪えきれず溢れ出る

「失恋………してもたな」

と後ろに倒れて天井を眺める志麻
流れる涙は止まらず腕を目の上に置く

「(目が腫れたらなんて言い訳しよう
やっぱり映画だな
いやでもアニメもありか
とりあえず今日はアイツらのことは忘れよう)」

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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php  
作成日時:2019年1月7日 0時

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