〝異常〟だなんて言わせない。【絶対零度】 (ページ7)

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05＿触れるもの全て、消してしまいたいページ7

A「そうなんですか！」

笑っている。楽しそうに話している。

直樹「……」

何であんなに仲良くなったのかはわからない。
けれど大事な彼女と笑いあうだなんて絶対に許せない。

直樹「…………俺のなのに」

菅野の正体は警察だった。
『ミハン』と呼ばれる組織に所属し、その名の通り、まだ見ぬ犯罪を未然に阻止するのが仕事。
そして今回のターゲットは直樹。俗にいう『サイコパス』な彼が動物虐待死の犯人であると、Aは知らない。

向こうの空に黒っぽい雲が漂っている。
風が吹き抜けて、直樹が不適な笑みを浮かべた。

直樹「何度言ったら分かるんだろ。」

Aにバレないようにその場を離れる。
鈍感が過ぎる彼女は、何度吹き込んでもふわふわ何処かへ行ってしまう。
鎖でもつけて繋いでおこうか。いいや、そんな事をすれば大好きな彼女の笑顔が見れなくなる。

直樹「ムカつくなぁ……あの子に触れるもの全部」

異常だなんて言わせない。
だってこれは直樹が無意識に思うことだから。
彼女を独占したいという只の気持ちだから。
………………そんな事を思う時点で異常なのだけれど。

異常なほどの愛は今日も止まりそうにない。

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