君と、未来の話をしてみたい。２【兵頭十座】 (ページ8)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:9,618 hit

５６ページ8

-

「十座が送ってくれたメッセージ見たよ。ごめんね、返事返せなくて」

「いや、大丈夫」

「ちょっとごたごたしててさ。でも、あのメッセージ貰ったから今日帰ろうって思ったんだ」

「‥そうかよ」

「会いたいって、可愛いなって思ってさぁ」

「‥あんま言うな、恥ずかしい」

「なんでさ、可愛かったよ？」

「あんま可愛い可愛い言うんじゃねぇ‥」

12月24日、クリスマス。

俺は恋人と手を繋いで柔らかい雪が降る空を仰いだ。

いつか授業で聞いた話。オレンジの片割れ。

俺のオレンジの片割れはまさしく、Aさんだったんじゃないかと思った。

これから先、もしかしたらAさんと別れることになるかもしれない。

けれど、今のこの時間を大事にできればいいかなと思う。

「十座は今大学に通ってるんだっけ？」

「‥あんたと同じ教師になりたくて」

「はは、教師は大変だよ。いいの？」

「高校教師っていう同じ立場になって、もう一度告白しようと思った」

「あらら、でも、もう寄り戻しちゃったよ？」

「いい、夢は変わんねぇし」

「そっか。‥あ、じゃあさ、十座」

-