検索窓
今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:3,268 hit

2 ページ2

「ていうか先輩、告られてましたねー」

『聞いとったん?』

「聞こえたんです」



ほぉーん、って横山先輩は聞かれてた事なんか気にしてへん様子。

なら、少しばかり踏み込んでみようか。
自分の首、絞めに行ったろか。




「…先輩の好きな人って誰っすか」

『内緒や、言うてるやん』

「えー会長の補佐っすよ、俺。教えてくださいよー」

『…ヒントならエエで』

「教えてください!」




せがんでみれば、横山先輩の真っ白な肌がほんのりピンクに染まった。

横山先輩を赤面させてんのは俺やないって分かってるけど、そんな姿にもキュンとしてまう。




『…笑ってるトコが、めっちゃ可愛え。』




やめて。
そんな風に恥ずかしそうに頬をかかないで。

相槌を打てない俺に、先輩ははにかんだ。




『…誰か、分かった?』

「分、かりません…それだけじゃ、」

『そ?…でもこれ以上は言わへんで』




疑問符が付いてへん文でも語尾を上げる、横山先輩の癖。

先輩の癖がわかるくらい、近くにおんのに、先輩の眼中に入ってへん自分が凄く惨めやと思った。





『でもさ…ホンマに分からへんの?』

「はい、全然分かりません」

『そっか…』




横山先輩は少しだけ寂しそうに目を伏せて、そのまま横目で俺の方へ視線を滑らせた。

いわゆる、流し目ってやつの破壊力は凄まじい。



横山先輩はテーブルの上に置かれた緑のファイルを抱えて、ドアノブに手をかけた。





『大倉って、自分のこと、全然分かってへんよな』





ぱたん、
ドアが閉まる音が静かに響いた。




.

3→←生徒会長。【黒緑】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.1/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
10人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ay - 続き待ってます! (2021年6月17日 23時) (レス) id: 4247336082 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:つばき | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年4月18日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。