棘くんと私の恋物語【呪術廻戦】

６．ペットボトル ページ6

「みんななんか飲みたいものない？私買ってくるよ！」

お、まじで？じゃあコーラ お茶で、などそれぞれの注文を聞いて立ち上がる

「棘くんは？」

「...いくら」

そう言ってスっと立ち上がる その行動をを見て
一緒に行くよという意味がわかったらしいAはありがとうと一言言った
パンダ達の方は見ないようにして自販機まで歩く


頼まれた飲み物のボタンを押せば、容器が落ちる音が聞こえる

「あ、棘くんはどれ？」

「......ツナ」

流石にわかるわけないだろうと、自分でボタンを押そうと左手を伸ばせば、それをAの手によって阻止される 少し心臓がはねた

「待って！当てるから」

「......しゃけ」


「サイダー？」

「おかか」

「コーヒー？」

「おかか」

2回外してうーんと唸りながら自販機と睨み合うA そしてはっとしたようにこっちを向き

「スポドリ！」

「！ しゃけ！」

親指を立てて正解の合図をすれば、Aも笑って棘の真似をした それからAはスポドリの下のボタンを押して、自分用にオレンジジュースの下のボタンを押した




「はい、棘くんの」

「しゃけ」

自分のを貰うのと同時に他に二本Aの手から取る そうするとAは少し目を大きくさせてから棘の方を向いて、ありがとうと照れ笑いを浮かべた

左手が少し熱を持った




みんなの所へ戻るとパンダと真希がニヤニヤこっちを向きながら憂太にひそひそ話していたので、わざとコーラを放りながら渡してやった
おい！炭酸だぞ炭酸！という声も無視して自分のペットボトルのキャップを開けた






口を覆う布に手をかける
Aが棘の口元を見るのは初めてだ

あらわになった棘の口元には蛇の目が描かれていた その様子に目を見張る 蛇の目だけでは無い


棘がペットボトルに口をつける

彼の喉仏が動いて液体が落ちていく

そして口を離す

少し開いた口、瞼が半分閉じた目

その表情、動作全てに魅了された







ぱっと目が合う



見すぎてしまったという羞恥心から固まるA
目が合ったという恥ずかしさから固まる棘



そうしてうっすら頬を赤くしながらしばらく見つめ合って固まっていたことを、パンダにいじられたことは言うまでもない

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