棘くんと私の恋物語【呪術廻戦】

３２．君の ページ32

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棘の声音におにぎりの具じゃない言葉が乗った

それに驚いてバッと顔を上げれば

熱の篭った瞳に吸い込まれる


棘の口元が見えた









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「好きだよ」









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風が2人の髪をなびかせた









「強くなるのは、Aを、守りたいから」









「だから、どれだけ遠くに行っても、必ず、君の元に帰ってくる」









「寂しくなんてさせない」









手にぎゅっと力がこもる









「っだから、、彼女になってくれま、せん、か」









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動揺が隠しきれない









これは夢なんかじゃない









身体中の血液が沸騰したように熱い









体は固まった様に動かないし









開いた口が塞がらない









胸がぎゅうぎゅう締め付けられて痛い









棘の声は心の底から
絞り出したような声だった


Aの為に
慎重に言葉を選んでくれていたのだ









ああ、一体君はどこまで優しいんだろう









迷う、、、わけなかった









「しゃけ！！」









「！！」









「わ、私も棘くんのこと好き！！」









一世一代の告白だった

思ったより大声で叫んでしまったし
声も裏返ってしまった

恥ずかしくて今すぐ逃げたい






ぎゅっと瞑った目をそっと開けると

棘は顔を耳まで真っ赤にして
喜びとも驚きともとれる
なんともいえない表情をしていた









「…ほんと？」








「うん！だ、だから、こんな、特に魅力もない私でいいなら、ぜひ彼女にしてください！！」





今度はちゃんと目を見て伝えた




それを聞いた棘はさらに顔を赤くする




さっきまでも十分赤かったのに









口元の襟を精一杯上げて棘が口を開く






「Aには、魅力があるよ だから、色んなのが寄って来ちゃう 自分もその一人、だけどね」






意地悪そうに笑った棘
次に顔を赤くするのはAの番だった








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幸せだな



こんなにも胸が君でいっぱい





この時間が永遠に続いて欲しい




そんな気持ちも



恥ずかしさも



全部隠したくて意地悪した









「棘くん 顔赤いね 夕日のせい？」









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少しの間の後
棘は首をふるふると横に振った









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「ううん、君のせい」









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そう言って私の額に口付けを落とす君も十分魅力的






Fin

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