棘くんと私の恋物語【呪術廻戦】

４．一目惚れ ページ4

校舎の休憩スペースでパンダと真希が何やら話している



パンダは気付いていた
何に気付いていたかというと、棘の異変にだ

あれは怪しい

Aを助けたとき彼女を見て固まったままだったし、帰り道でも何処か考え事をしているようだった それに彼女が教室に入ってきてから僅かだが頬を染めたのだ

つまり何が言いたいかというと恋だ
棘は恋に落ちたのだ
俺の勘は間違ってない




と、真希に話せば「ほぉ〜う」と悪い笑みを浮かべた

そこへちょうどいいタイミングで棘が近くを通る

「あ、おい！棘！」

パンダがちょいちょいっと棘を呼び
ｶﾞｯと肩に腕を回して棘に顔を近付ける

「おいおい、転校生はどうだった？」ﾆﾔﾆﾔ

「！...す、すじ「可愛かっただろう」ﾆﾔﾆﾔ

「Σ！！？...」

パンダと真希のいきなり核心を突いた質問に
"しゃけ"とも"おかか"とも答えれず、目を泳がせてあたふたする棘

「隠しても無駄だぞ 惚れたんだろ？」ﾆﾔﾆﾔ

「棘はわかりやすいんだよな〜 俺はすぐに気付いたぜ」ﾆﾔﾆﾔ

「〜〜ッ！」

みるみるうちに赤くなる棘
これは自然と肯定を意味してしまう
パンダと真希はﾊｯ！とお互いを見て笑みを深めた

「図星だな」ﾆﾔﾆﾔ

「いいじゃねぇか 俺は応援するぞ〜？」ﾆﾔﾆﾔ

「...ッ！明太子！！！」

棘は目を吊り上げて叫んだ
観念してはいはいわかったよと両手をあげる



「しっかしあれだな 一目惚れってやつか？」

「本当にあるんだな」



そうか、これが一目惚れか


初めて言葉を交わしたとき、呪霊への恐怖で潤んだ目で、立場上自然と上目遣いになってしまった彼女に見つめられて、雷が落ちたような衝撃が走った


この衝撃が一目惚れというのか


まだ会って半日も経っていないのに彼女のことを考えるだけでこんなにも胸がいっぱいになる





「ま、せいぜい頑張れよ〜」

「おかかっ！」


2人がにやにやしながら手を振る
この2人には当分冷やかされるだろう

でもそこまで悪い気はしなかった









その日の夜は少しだけ眠れなかった

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