30.昇格 ページ30
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「A、準2級 昇級おめでとう」
「ありがとうございます」
そう、日頃の訓練や任務の成果から
なんと見事にAは準2級の等級を手に入れたのだ
「にしても凄いね 棘も推薦もらって準1級になったし、先生として誇らしいよ」
「えへへ、嬉しいです」
俯きながら照れ笑いを浮かべるA
「でも私も、まだまだ強くなってみせます!」
Aが憧れるのはもっと先だ
「うん、いい心がけだね」
その調子で青春しなよ
そう言って悪戯な笑みを見せた五条先生
すれ違いざまにAの頭に手を置いて去ってしまった
今日は花が見たい気分だ
.
「やっ、棘くん」
「...しゃけ!」
花壇の前に屈む棘に声を掛ける
高専には桜の蕾がなっているが、
もちろん花壇の花なんてまだ咲いていない
Aも同じように棘の隣にしゃがみ込む
「こうやって話すの久しぶりだね」
「しゃけしゃけ」
今は夕暮れどき
暖かく包み込む朱色の光がいつかの日を思い出させた
「最近はみんな忙しかったもんね」
「いくら」
とは言いつつもAが通りかかった時の花壇に雑草が生い茂ってることなどなかった
今見れば種を植えた形跡だってある
流石、ぬかりない
「こんぶ、明太子?」
「そうなの!私、準2級昇格にしたんだよ!」
ツナマヨ!小さく拍手をしながらAの昇格を笑顔で祝ってくれる
「えへへ、ありがとう」
満更でもなさそうに頬を掻きながら目を逸らすA
「そう言えば棘くんだって準1級昇格おめでとう!!」
「!……ツナマヨ」
話の焦点を棘にすり替えて同じように祝いの言葉を伝えれば、嬉しそうな顔をした
パァァァと効果音がつきそうな程だ
「私もやっと強くなったと思ったんだけどな 棘くんはどんどん先に行っちゃうね」
ちょっと寂しいな
聞こえるか聞こえないか分からない声で呟いた
だが直ぐに棘の方を向いてふんすと気合いを入れたポーズをとる
「私も追いつけるように頑張るね!!」
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笑明(プロフ) - ゆりあさん» ゆりあさんありがとうございます!!そう感じて頂けたのなら悔いはありません笑絶対狗巻先輩カップルはみんなの癒しになるな…という私の妄想でした笑続き楽しみにしていて下さい!! (2020年12月18日 6時) (レス) id: 6f452ca43a (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 可愛いふたりが頭の中に浮かびました。大変な世界の中で、これからも2人には穏やかさを無くさないで欲しい!と思いました。幸せな気分になる作品でした。ありがとうございます。続編、楽しみにしております! (2020年12月17日 5時) (レス) id: 45a22d77c5 (このIDを非表示/違反報告)
笑明(プロフ) - 運命と出会ったさん» ありがとうございます!!そう言ってくださって本当嬉しいです!泣もっときゅんきゅんできるお話書けるように頑張りますね! (2020年11月6日 16時) (レス) id: 6f452ca43a (このIDを非表示/違反報告)
運命と出会った(プロフ) - めちゃめちゃきゅんときました!!!!面白い話をありがとうございます!!! (2020年11月5日 23時) (レス) id: c1611647f6 (このIDを非表示/違反報告)
笑明(プロフ) - 蘭さんありがとうございます!!何を言ったか是非想いを馳せてみてください...笑エネルギー貰ったのでもっと頑張って書きます!! (2020年10月19日 15時) (レス) id: 6f452ca43a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みりよん | 作者ホームページ:http://https://mobile.twitter.com/Miriyon_red
作成日時:2020年5月23日 22時