棘くんと私の恋物語【呪術廻戦】

１８．廃病院 ページ18

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1月は任務と訓練を繰り返す日々が続いた





2月に入ってから、優太が外国へ旅立った
二度と会えない訳じゃないけどやっぱり寂しい









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「おい、パンダもっと詰めろって」


「俺はもうこれ以上小さくなれない」


「ツナツナ」


「わ、私走っていこうか？」


「A、この距離を走っていくのは無理があるぞ」


「悟が降りろよ！あんたなら一瞬で着くだろ」


「あれには色々と条件が必要なんですー」


ただいま1年全員で埼玉の任務地に向かっている
つまり、全員で1台の車に乗っているのだ
ただでさえ大きいのが2人いるのに定員オーバーなのでそりゃあ狭い

車を2台出してくれれば良いのだが、埼玉は地方と比べて距離が近いので人員を割けないようだ

後部座席でぎゅうぎゅう詰めになっている生徒たちを横目に五条先生は助っ席でふんぞり返っている

隣にいる棘に潰されそうになる


「高菜...」

「ううん、大丈夫...」









だけどやっぱ流石に暑い









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着いたのは埼玉の廃病院
この中にいる一体の呪霊討伐が今回の任務
全員で協力したら倒せる相手らしい

五条先生はただの引率で帳の外で待機だ



『闇より出でて闇より黒く その穢れを禊ぎ祓え』



伊地知さんが帳を下ろす
その隣で頑張ってねーとへらへら笑いながら手を振る五条先生が見えた


廃病院の中は結構広い
だから呪霊を探すのも一苦労
そこで考えた作戦がこうだ


「...入るぞ」


真希に続いて中に入ると、比較的広い待合スペースに出る そしてAを中心に3人が円を作り外側を向いた

これでどの方向から呪霊が来ても誰かが対応出来る

要するに、Aの呪力を利用して呪霊をおびき寄せるのだ




Aも自分の鎖鎌を構える
天井や床からの呪霊に備えるのだ


ピンと張り詰めた空気
僅かな振動すらも感じない


さあ、どっからでも来い
全員の緊張感が最高に達した時だった






「うわっ...！！」




「...！！」




「嘘だろっ...！」


Aの足元が歪む
そこから現れたのは呪霊の手だった
そしてその手はAの足首を掴み、床下へと引きずり込もうとする

予想以上に静かな呪霊の登場にAの抵抗も、パンダと真希と棘の反応も遅れる





伸ばした棘の手は空を切り、
Aは呪霊に連れ去られてしまった

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