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拾漆 ページ19

A視点

 探偵社を出た後、私はひたすら走った

 ふと、周りを見ると
 …教会?今は使われていないようだけど

 疲れたし…此処で一寸休もう
 そう思い私はそこら辺に腰を下ろした

 …此の儘居なくなったら皆は喜ぶのかな?


「だったら…探偵社を辞めて別の処に…」

「なら、ぼく達の処に来ませんか?」


 不意に、背後から声が訊こえた

 訊いた事のある此の声…


「ドストエフスキー…」

「こんにちはAさん。先刻ぶりですね」


 ドストエフスキー…面倒くさい…
 ドストはそう云い胡散臭く微笑む


「ドストエフスキーさんは…死の家の鼠の人達は
 私を必要としますか?…途中で捨てませんか?」

「勿論です。ぼく達は貴方を必要としている…
  捨てるなんて事、しませんよ。だから…」
 

 ドストは優しい声色でそう云い乍ら私に手を差し出す

 其れなら其方に行っても善いかな…
 そう思いドストの手を取ろうとする…と


「Aさん!!」

「中島さん…?」


 そうハッキリと中島さんの声が訊こえた
 声のした方を見てみると中島さんと治にぃが居た


「ドストエフスキー…」

「おや…もう来てしまいましたか」


 中島さんは私の隣、治にぃは私とドストの間に立ち
 ドストを睨んでいる


「Aさんを此方側へ引き入れる善い機会だと思ったのですが…矢張り邪魔が入ってしまいましたね
 
 まぁ善いです。其れではAさん
 気が向いたら何時でもぼくの元へ来て下さいね」


 ドストはそう云い、歩き去って行った
 案外あっさり…何がしたかったんだ?


「Aさん…大丈夫ですか?」


 中島さんは心配そうな顔でそう云う
 何で…?


「中島さんは明梨さんの処へ行かないんですか?」


 私がそう云うと中島さんは一瞬キョトンとした顔に
 なり、直ぐに微笑み、こう云った


「明梨ちゃんも心配でしたけど…其れよりAさんの事が心配だったんです

 辛そうな顔をしている友達を放っては置けないでしょう?…一緒に帰りましょう?探偵社へ」


 そう中島さんに訊かれ、直ぐに答えられなかった
 
 …けど、まだ私を必要としてくれる人が居るのなら
 其れに応えたい

 私はゆっくり頷いた

 
 

 

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豆腐の味噌汁 - 三斗(トリップ願望者)ドス君は神々しくシグマ君は天使!さん» 其れに関しては結構迷い中ですね。何かしらの依頼などで夢主ちゃんの異能力を近いうちにバラそうかなぁと思っていますが正直未定ですね…済みません。 (2022年7月24日 15時) (レス) id: 31f3b0e2bf (このIDを非表示/違反報告)
三斗(トリップ願望者)ドス君は神々しくシグマ君は天使! - 夢主ちゃんの異能が誰か(探偵社とか)に知られるのっていつ頃でしょうか? (2022年7月18日 10時) (レス) id: 1595fb6da3 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロラク - すごく面白いです!続きがすごく楽しみです (2022年5月25日 19時) (レス) @page26 id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
リノス(プロフ) - 誕生日おめでとうございます!!いつも見させて貰ってます!無理の無い様に自分のペースで頑張って下さい!これからも応援してます!!! (2022年3月27日 23時) (レス) @page23 id: bede5987db (このIDを非表示/違反報告)
ななな - おめでとうございますん!!!!!!!皆さん今日は神作者様が生まれた日ですよ!!!!盛大に祝いましょう☆ (2022年3月27日 21時) (レス) @page23 id: e8ba10d296 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:豆腐の味噌汁 | 作成日時:2022年2月22日 19時

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