愛されない？知ってます

拾壱 ページ13

A視点

　パチっと目が覚める

　昨日は…あぁそうだ
　太宰さんに過去を話して泣いて…

　疲れて眠ったのか…

　此処は…？と思い周りを見る
　すると、太宰さんが居た


「Aちゃん起きたんだ。おはよう」

「太宰さん…お早う御座います」


　何で此処に太宰さんが…？そもそも此処は？
　
　そう考えていると太宰さんが口を開いた


「急に知らない場所に居て吃驚しただろう？
　済まないね
　此処は私の家だよ」


　えっ…何で？
　頭に疑問符が浮かぶ

　太宰さんは少し笑い、説明をしてくれた


　…私凄い失礼な事してるじゃん！！

　太宰さんに過去を話して其れで泣いて寝た？
　其の上運んで貰った？

　失礼にも程がある…


「Aちゃんの思っている事は大体判るけど大丈夫だよ。私が勝手にしただけだし」


　太宰さんはそう云って笑った
　
　でもなぁ…


「納得いってない顔だね…
其れなら私に朝ご飯を作ってくれないかい？」

「勿論です！寧ろやらせて下さい！
あっ…でも私の家でも善いですか？着替えたいので」


　太宰さんは私の質問を了承した

　…家に何かあったかなぁ

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「太宰さん、出来ましたよ」

「はぁい」


　家に何とか材料があったので其れを遣った

　今度またちゃんとしたの作ろ…


「ん…美味しい」

「本当ですか？！有難う御座います！」


　太宰さんは美味しそうに食べてくれる
　嬉しいな…

　却説、私も食べよ

　二人でご飯を食べていると、太宰さんが口を開いた

「Aちゃん」

「はい？」

「私が織田作の代わりに成れる様に努力するって云ったの覚えてる？」


　あぁ…あの時か

　よくよく考えると結構恥ずかしいな…


「覚えてますけど…其れが何か？」

「私はAちゃんと仲良くなって織田作の代わりに成れるように頑張ろうとしてるのに

　織田作の事は作にぃ呼びで、私の事は太宰さん
　呼びって一寸距離が遠くないかい？

　Aちゃんが距離を置いている感があるのだけれど」


　えぇ……
　太宰さんだと距離が遠いの？

　でも太宰さんって太宰さんって感じがしない？
　一番しっくりくるんですけど…

　太宰さんが駄目なら…
　太宰君、太宰…同年代か？此れは却下

　そうなると下の名前呼びか…
　治さん、治…あっ！


「治にぃ？」

「善い！凄い善い！」


　凄い喜んでる…

　此れからは治にぃって呼ぼう



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