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一度思いつけばずっとそのことにしか集中出来なくなるのが俺なわけで。
A)おもしろかった〜
やっぱ来て正解!
慎)…うん。
A)…どうしたの、なんか上の空。
慎)…うん。
A)いや聞いてるんだけど、笑
デートかも、って思い始めてから映画もそっちのけで、必死にそうじゃないって言える言い訳を探していた。
…そうじゃないって誰に言うんだろ、
なんでこんなこと一生懸命考えてんの?
言い訳しなきゃいけない理由って?
…考えれば考える程分からない。
A)どうだった?長谷川くん
……長谷川くん?
慎)…あぁ、うん。おもしろかった
A)だよねぇ!
もっかいみたいかも!
スキップしそうなくらいに浮き足立った彼女が目に留まる。
…浮き足立ったなんて言ったら人聞き悪いかな。
…少なくとも彼女にはその言葉がぴったり。
慎)…ふは、笑
A)え?何笑ってるの?
慎)や、別に…笑
A)ねぇなにそれ、気になる!
慎)気にしなくていいよ笑
それより昼どうすんの?
A)何食べよっかー
慎)フードコート行く?
A)うん!
楽しそうな彼女を見てると、俺まで心が躍ってるような気分になる。
数少ない女友達で、なんなら今年知り合ったばっかりなのに。
…こーゆーのも悪くないなって。
A)ねぇ長谷川くん!
慎)うん?
A)…私のこと、どー思ってる?
ちょっと印象変わった?
この質問、前にもされたなぁ笑
…俺の今のこの気持ち、どう伝えよう。
慎)印象は第一印象からずっと変わってない笑
A)うそ、笑
慎)ほんと。笑
…でも。
A)…ぇ、わっ、…
俺は彼女の腕を掴んで自分の方に引き寄せ、耳元に息がかかるくらい顔を近付けた。
慎)……、
A)……っ!
なんでそんな近くで…っ、
慎)…ふふ、嬉しい?
A)…〜、っばか!
慎)心外だなぁ笑
───Aのこと、気になってる
…そう囁いただけで真っ赤になってた君が大好きだった。
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作者名:れい | 作成日時:2020年5月20日 21時